劇場公開日 2010年12月18日

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「「マザーファッカー!」と訳したのは名訳中の名訳」キック・アス あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「マザーファッカー!」と訳したのは名訳中の名訳

2011年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

2010年アメリカ・イギリス合作映画。117分。今年3本目の作品。同題コミックの映画化で、製作陣にブラッド・ピットの名前が。ヨットの買いすぎで多額の借金を背負ったらしい名優ニコラス・ケイジが出演している。

内容は;

1、オタクな主人公の青年は、アメリカンヒーローになるのが夢。とうとうネットで緑色のコスチュームを買い、夜な夜な困った人を助けるヒーローごっこをはじめてしまう。
2、そんな彼は、ある晩ぼこぼこになりながらも困った人を助ける。その一部始終が通行人に撮影され、YouTubeに。瞬く前に全米の時の人となる。
3、ある日、かねてから恋憧れている女の子の悩みを解消すべく、とある悪党のあじとに乗り込むがまたしてもボコボコ。そこに本物のアメリカンヒーローが現われ救われることに。

一見単純な作品のように思えるが、作品の至る所にブラックユーモアが練り込まれた痛快な映画です。極めつけは本物のアメリカンヒーローとなるニコラス・ケイジ演じるビッグダディと新鋭クロエ・モレッツ演じるヒットガールの迷親子。

ヒーローやってるおかげで財政難なこの2人の場合、マンガの中のヒーローとは一味も二味も違う。悪党をやっつける時も容赦なくやっつけスプラッター状態。金は強奪するわ汚い言葉はどんどん吐くわである意味とてもリアリティがある。ビックダディはどうみてもバットマンもどき。

こんな色々な仕掛けの裏に製作者が込めた隠喩が感じられ、作品全体がなんとなくリリカル。本作はひょっとしたらハリウッド映画を揶揄した作品なのかもしれない。そんな考えが鑑賞しながらちらつき、まったく異なる痛快さが味わえる。

クロエ・モレッツがとにかく最高。最後に悪党の大本のあじとに突撃するシーンは、その選曲も含めてきっとこれから何十年も語り継がれるはず。この作品の成功に一番貢献してるのは間違いなく彼女だと思う。

彼女が成長するまえに速く第二弾をつくってほしい。

これ、今年のNo1になると思います。

あんゆ~る