劇場公開日 2010年12月18日

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「快作!」キック・アス オイラさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0快作!

2011年1月16日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

これは観たかったんだよね〜。

公開直後は上映館がめっちゃ少なくて、立ち見のお客さんがうじゃうじゃだったらしいんだけど、

年が明けてから上映している所も増えて見やすくなったので、やっと行ってきたよ。

ポスターを見ての通り、原作はアメコミ。

ヒーローに憧れるダメ高校生が、通販で買った正義の味方コスチュームに着替えて、
徒歩でパトロールに出掛け、街の悪に立ち向かっていく。

でも中身はただのダメ高校生だから、もちろんすぐにボコボコ。

そんな姿が却ってネットで話題になり、彼が扮する<キック・アス>は一躍人気者に!

彼と同じように正体を隠して悪と闘う父娘、<ビッグ・ダディー>と<ヒット・ガール>。

出会った彼らがタッグを組んで、さらなる敵に挑む!

…みたいに、軽く作品紹介しているメディアも多いんだけど、
『まったく、知ってるくせに〜!よく言っちゃうよね〜こんにゃろ!』だよ。

『ただのB級アクションコメディだと思ってたら…あんた大ケガするぜッ?!』
って、最初から謳ったってイイじゃん?その期待を裏切らないでくれるじゃん!

主人公のデイブが、

誰もがヒーローに憧れるのに、何故みんな『ヒーローなんて自分たちとは別世界のモノ』と決め付けて『自分がそのヒーローになりたい 』とは考えないのか?…僕はなりたい!
と1人で起こした行動は、ホント子供じみてて突飛ではあるけど、

何度危ない痛い目にあっても諦めない姿を見るうちに、ヘンに共感を覚えちゃうんだよね。

『それ風の衣装を着たからってヒーローになんてなれるワケないじゃん』なんて笑った自分を、ちと寂しく感じたりして。

また、ニューヒーロー<キック・アス>を世に知らしめたのが、

殴られてボロボロになりながらも決して諦めない彼の姿に、興奮し応援の歓声をあげる…けど、それだけで、誰一人として暴力を止めに入ることなくその様子を撮影したケータイ動画…

っていうのも、なんか皮肉で考えさせられちゃうしね。

<ビッグ・ダディー>と<ヒット・ガール>はメッチャ強い!

様々な武器を使って、一瞬にして大勢の悪者を倒していくんだけど…ん?果たして彼等はヒーロー正義の味方なのか?!

いやいや違う!言ってしまえば復讐の鬼なの。

<キック・アス>みたいに困った人を助けるのではなく、

妻を死に追いやったマフィアを叩き潰すコトだけを目的に生きている父と、
その父親に『殺人の英才教育』を受けた11歳の女の子なんだ。

この<ヒット・ガール>が、誰もの印象にいちばん強く残るのは間違いないよ。

子供とはいえ、さながら殺戮マシーン…たった1人で次々殺しまくる。

ワイヤー、スローモーション、フラッシュ等を駆使したアクション映像は華麗で見事で、
空中を泳ぎながら両手に持った銃の弾丸を装填するところなんて、映像も彼女の表情も格好よくて、シビれちゃったよ。

迫力ありながらもスマートで、何よりキュートでたまらんね!

逆に、人によっては
『11歳の少女が復讐に燃えてマフィアを殺しまくるなんて、救いがなくて見ていられない』
って意見もあり。

うん、それも納得なんだ。

これまでのアクションヒーローものでも、その過去や影に触れてる作品って多くあったけど、

ここまで『生身の人間』らしい『心情』の部分をググッと訴えてくるのって、多くないんじゃないかと思う。

『救いがなくて…』と感じた人には、その苦悩や心情の部分がより深く届いていたんだな…と。

ただ、それを押し付けでも辛気臭くも無く、
笑いとアクションを中心にポップな音楽と色彩で描いている中に、ギュッと凝縮して潜ませてあるもんだから、ビックリしちゃうのよ〜!

主人公デイブの、高校生らしい日常生活の悩み。
経験してみて初めて知ったヒーローの孤独感。
目的と勇気を持って行動する事の大切さを知って成長していく姿。

<ビッグ・ダディー>と<ヒット・ガール>の親子愛。

これは『アクションヒーローコメディ』のカタチをした『人間のおはなし』だよ。

…なんて大袈裟かな?

ふぅ〜ッ!興奮して長くなっちゃった!

オイラ