「ただの子供だましと思って観たら痛い目にあう」キック・アス マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
ただの子供だましと思って観たら痛い目にあう
まず、子供騙しのコミックものだと思って観たら痛い目に遭うので気をつけた方がいい。
たしかに善玉と悪玉がいて、勧善懲悪のヒーローものの皮を被ってはいるが、その中身は「力ある者が勝つ」という善者ぶらないメッセージだ。R15+指定でありながら、作品の中では11歳ほどの少女がヴァイオレンスを繰り広げ、悪に勝つのは正義ではなく力であるという表現には容赦がない。
ところが、この作品を「Vフォー・ヴェンテッダ」のようなヴァイオレンスものと判断するのは早計だ。
まず明るいのだ。主人公の高校生デイヴは彼女もできないごく普通の男の子で、そのダメぶりと思春期を描く青春ドラマの側面を持つ。
“ビッグ・ダディ”(ニコラス・ケイジ)と“ヒット・ガール”(クロエ・グレース・モレッツ)の父娘にしても、親子の情愛と信頼がよく伝わってくる。
むしろ過激な描写は、製作者に名を連ねるブラッド・ピッド特有の狂気が織りなすテイストが強く反映されたととれる。
13歳のクロエ・グレース・モレッツがいい。動きにキレがあり、将来が楽しみだ。銃を撃つときの唇の動きはスタローン並みだし、小さな身体でも銃器がよく似合う。ぜひアンジーとの競演を見てみたいものだ。
*これにて2010年の映画の見納めとなりました。
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