「渡辺がすごい」トルソ ちはれさんの映画レビュー(感想・評価)
渡辺がすごい
「トルソ」は、「誰も知らない」で撮影監督をつとめた山崎裕の初監督作品である。
トルソ(彫刻用語で四肢のない胴体だけの作品のこと)をまるで恋人のように扱うOLヒロコの日常を誇張せずに淡々と描くこの作品には、女性ならば避けられない性への恐怖やトラウマ、やるせなさが詰め込まれている。まるで盗撮映像のようなカメラワークや手ぶれ感は「誰も知らない」の撮影方法と似通っていて、懐かしさをおぼえた。
結論から言えば、この作品は面白くなかった。
音楽などの演出方法が今ひとつで、やりたいことや伝えたいことは分かるのに、それを表現し切れていない。テーマや題材が面白いだけにもったいなく思え、「誰も知らない」の是枝監督が撮れば最高に面白かっただろうになぁ、なんて思った。
この作品のために体はった渡辺真紀子がすごかったので、☆2つ。
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