「小さな積み重ねが少しずつ足りない」岳 ガク Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
小さな積み重ねが少しずつ足りない
総合:65点
ストーリー: 70
キャスト: 60
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 75
映画の冒頭、美しく壮大な山の景色に引き寄せられる。澄んで壮大な音楽も映像に合っている。しかし美しい山の映像がある一方で、その後の救出のときとかに時々出てくるセットの部分がそれとわかってしまってちょっとがっかりする。山岳救助の命懸けの活動や状況から厳しい決断をしなければならないといった主題の重さがあるが、一方で人の命や山岳救助の大切さを強調しようとするあまり、科白や演技がわざとらしくなったり説教臭くなっていたりする。 大荒れの気象条件の中を冬山を越えて救助に行って疲労困憊しているに違いないわりには、その後の科白は健康体のまま元気一杯に喋る。
そのようなことが積み重なった結果として、救助に真剣みがあまり感じられなかった。冬山のわりに吐く息も白くないし、暖かい快適なところで撮影したんだろうな。「海猿」同様にいい職業とその活動を描いているのだけれども、主人公がふわふわとして馬鹿っぽい性格であることもあったのでちょっと引き気味で見てしまった。
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