劇場公開日 2011年3月5日

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「ヒッチコック×「シャレード」のようなロマンチック・サスペンスが、何だかサスペンス・コメディになっちゃった」ツーリスト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ヒッチコック×「シャレード」のようなロマンチック・サスペンスが、何だかサスペンス・コメディになっちゃった

2012年9月26日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの豪華共演、「善き人のためのソナタ」のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが監督。
この面子なら極上のエンターテイメントになると思っていたら…?

「シャレード」を狙ったであろうお洒落なロマンチック・サスペンス、ヒッチコック作品のような巻き込まれ型陰謀劇、アンジーのファム・ファタールぶりはイイ。

でも何故か弾まない。
何でかなぁ?…と考えていたら、それは映画の始まり形。
もしヒッチコックだったら、ジョニー扮するフランク目線でアンジー扮する謎めいた美女と出会って訳も分からずサスペンスが始まっただろう。
所が所が、映画はアンジー扮するエリーズがいきなり警察にマークされていて、警察の目をかいくぐってジョニーと出会うんだもの、“この美女謎めいてます”感丸出しでアンジーの役柄に魅力が半減、話もまるで敷かれた線路を走るような予定調和で進んでいく。

ジョニーがダサいパジャマ姿で逃げるシーンもサスペンスが全く盛り上がらず、ユルいコメディ感が漂う。

謎の男“アレクサンダー”の正体も思った通り。
だって“彼”以外に考えられないし、その方が二転三転のオチが綺麗につく。

2大スターとゴージャスな贅沢感に酔った者勝ち。

近大