「詩歌が生活の中に息づくこと」ブライト・スター いちばん美しい恋の詩(うた) きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
詩歌が生活の中に息づくこと
詩を介して結び合う二人。
歌い交わして想いを伝える。
洋画にはしばしポエムが登場しますね。
この映画ではキーツ。
レビューにも書きましたが「ミリオンダラー・ベイビー」にはイエーツ。
詩集を買って読んでみたこともあるのですが、ピンとこないし、なんと言っても覚えられない。
自分の才能の無さに劣等感しきりでした。
でも我々には「五·七·五·七·七」がありました。英国人には英国人の血となった英文詩の韻律があり、私たちには1500年の時を経て日本人の骨肉となった五七五がある。
それで良いし、それが良いのです。
あの山上億良に絶品の恋歌があります
=彦星と織姫=
彦星は織女(たなばたつめ)と天地(あめつち)の 別れし時よ いなむしろ 川に向かい立ち思う空
安けなくに嘆く空
安けなくに青波に
望みは絶えぬ白雲に 涙は尽きぬ
かくの身や息尽きおらむ
かくの身や恋つつあらむ
さ丹(に=赤)塗りの小舟もがも
玉巻きの真櫂もがも
朝凪ぎに い掻き渡り
夕潮に い漕ぎ渡り
久方の天の川原に天飛ぶや
領巾片(ひれかた=柔らかい布地) 敷き
真玉手の玉手差し交え
あまた夜も居寝て しかも秋にあらずとも
風・雲は二つの岸に通えども
我が遠妻の言ぞ通わぬ
小石(つぶて)にも投げ越しすべき 天の川
隔てればかも あまた術(すべ)なき
(奈良時代の歌人山上億良の七夕の情歌、
「久々にたどり着いた天の川の川原で手と手を絡めてひしと抱き合い、秋の夜長でもないのに毎晩夜通しセックスしたい」って!?
億良ナイス。笑)
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僕も作ってみました
甲斐路では けぶる雨さへ桃の色
桜花 まなざしふわり君の肩
勿忘と 君告ぐれども青き恋
(わすれな)
籠解きて野に放ちたる山鳩は
安曇の山に水や飲むらん
鳥の音遠く聞いて偲わな
鳥の音遠く聞いて偲わな
きりん、恋の歌。そして失恋の歌。
万葉集ブーム。