「より悪に生まれる」預言者(2009) いずるさんの映画レビュー(感想・評価)
より悪に生まれる
150分。
長いですが、見ごたえがあって飽きません、最後まで見れます。
自分がコルシカなのか、アラブなのか、
最初に話した言葉もフランス語とアラブ語が同時と答える彼は、
少年から青年への過渡期、アイデンティティの確立にもがく時期に刑務所に入ります。
刑務所内でも何とか認められようと、言われたことは素直にやり、どんな仕打ちを受けても許す振る舞いを続けるのですが、やっぱり軽視されます。
コルシカ人にはアラブといわれ、アラブ人にはコルシカと罵られる。
人種の狭間ですね。
これでよかった、とは言い切れない終わりです。
なにせ刑務所でたくさんの悪いことを学んでいますから、社会にはより悪の存在が解き放たれたのです。
でも彼にとっては、自分の存在を確固たるものにできて、良かった、のかも知れません。
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