「ストーリーは今一つだが、シルベスター・スタローン 率いるExpendablesの面々は個性的」エクスペンダブルズ Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーは今一つだが、シルベスター・スタローン 率いるExpendablesの面々は個性的
シルベスター・スタローン 脚本・監督・主演の2010年製作(103分/R15+)のアメリカ映画。原題または英題:The Expendables、配給:松竹、劇場公開日:2010年10月16日。
1946年生まれのシルベスター・スタローンがまたまたアクション映画とは思ったが、流石に一人アクションは避け、現実の戦争でも重要性が増している傭兵部隊にスポットをあてたのは、良いアイデアと思った。傭兵部隊Expendablesの隊長と見てみれば、まだまだ結構動けるし、あの重低音の声はやはりイイネと改めて思った。
ただ、ストーリーは今ひとつ。独裁者ガルザ将軍(デビッド・ザヤ)が統治する南米の島が主たる舞台だが、クーデターに協力した元CIA局員ジェームズ・モンロー(エリック・ロバーツ )が真の強敵。
割が合わないことから雇い主のCIA(ブルース・ウイリアムズ)の依頼(ガルザ将軍排除)は断ろうとしたが、島で出会った絵が趣味の案内人サンドラ(実はガルザ将軍の娘)の救助のために再訪する。このシチュエーションの説得力は、サンドラの醸し出す知的な美しさにかかってると思えたが、演じたメキシコ女優ラジゼル・イティエに、そこまでの魅力は感じなかった(個人的好みの問題かもしれないが)。まあ、あくまで足長おじさん的関係性で、恋愛関係に描かなかったことは、良かったとは思ったっが。
一方、Expendablesのメンバーたちは、なかなかgoodな設定であった。
ジェイソン・ステイサム(水泳飛込競技の元英国代表)演ずる隊長スタローンの右腕リー・クリスマスは、ナイフ術のエキスパートで、クナイ型の両刃投げナイフを愛用。アクションシーンで、銃器のみだと飽きが来るので、投げナイフ使用が良い彩り的変化となっていた。恋人レイス(カリスマ・カーペンター)のゴツイ浮気相手と取り巻き数人を瞬く間に叩きのめし、最後に腹上のバスケットボールをナイフで思いっきりぶっ潰すシーンがカッコ良くて、怖かった。
中国人イン・ヤン(ジェット・リー : 中国全国武術大会5年連続優勝者)はチビだが、少林拳の使い手。ガンナー・ヤンセン(ドルフ・ラングレン : 空手の元スエーデン代表)は大柄な体格で、射撃の名手で空手技も使う。重火器が好み。薬物依存症に陥ってクビになり、敵側に寝返った。
これらメンバーたちのセレクトと綿密なキャラクター設定を考えると、最初からシリーズ化を予定しており、そのお披露目的な要素も織り込んでいた気はした。
あとまあ、初っ端も含めた戦闘シーンでの火力や爆発はハンパ無い迫力で、これぞ戦争といった感はあった。
監督シルベスター・スタローン、製作アビ・ラーナー、 ジョン・トンプソン、 ケビン・キング=テンプルトン、製作総指揮ダニー・ディムボート、 ボアズ・デビッドソン、 トレバー・ショート、 レス・ウェルドン、 ジョン・フェルトハイマー、 ジェイソン・コンスタンティン 、エダ・コーワン、 ベイジル・イバニク、 ガイモン・キャサディ。原案デビッド・キャラハム、脚本デビッド・キャラハム 、シルベスター・スタローン、撮影ジェフリー・キンボール、美術フランコ=ジャコモ・カルボーネ、衣装リズ・ウォルフ、編集ケン・ブラックウェル ポール・ハーブ、音楽ブライアン・タイラー。
出演
バーニー・ロスシルベスター・スタローン、リー・クリスマスジェイソン・ステイサム、イン・ヤンジェット・リー、ガンナー・ヤンセンドルフ・ラングレン、ジェームズ・モンローエリック・ロバーツ、トール・ロードランディ・クートゥア、ダン・ペインスティーブ・オースティン、ガルザ将軍デビッド・ザヤス、サンドラジゼル・イティエ、レイスカリスマ・カーペンター、ザ・ブリットゲイリー・ダニエルズ、ヘイル・シーザーテリー・クルーズ、
ツールミッキー・ローク、チャーチブルース・ウィリス、トレンチアーノルド・シュワルツェネッガー。