「コーエンマニア用」シリアスマン 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)
コーエンマニア用
一般的には全く何を言いたいんだかさっぱりわからず、つまらないことこの上ない、という感想を持つのが正常です。
100%コーエン支持者のための作品です。
コーエン兄弟の作品は、斜に構えた毒とブラックと視聴者を嘲る性格の悪いクセが特長ですが、それでもファーゴやバーバーなどは幹になるストーリーがあるので、それなりに鑑賞可能な、言ってみれば大衆文学的コーエンです。一方、この作品は前記の特長だけが際立っていて、お話がまるでない純文学的コーエンです。
ですからコーエンマニアが「ああ、またこれね」って言って悦に入ればよいだけで普通の人にはウケません。
大体何を言いたいのか?ラストは何を表しているのか?色々分析している人もいるようですけど、何か狙いがあるのか?狙いがあるフリをしているだけなのか?そもそも何も考えていないのか?全くサッパリなんだかわからない、考えるだけムダです。
とにかく、このひねくれた余人を以って替えがたい作風を快感に感じるかどうか、だけですね。
もしも何らかの意味があるのだとしても、一つだけ確かに言えるのは、ユダヤ教の教義を知っているから理解できるというものではありません。もっと日常的にユダヤ人と接しているアメリカ人だから何となくニュアンスを体感できるのであって、日本人に理解なんかできるわけありません。
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