グリーン・ゾーンのレビュー・感想・評価
全68件中、61~68件目を表示
ノン・ストップで駆け抜ける
こんにちは(いま16日pm8:10頃です)
大量破壊兵器はなかった。
アメリカの開戦理由は事実無根だったことは、
あとの検証結果で明らかになっている。
その事実をテーマに、どんな映画になるのか?
若干の不安感があった。
でも、それは杞憂に終わったと思う。
その第1がノンストップで駆け巡る映像の秀逸さだろう。
手持ちカメラで追う、リアルな戦闘シーン。
それを煽るようなリズムを刻むサウンド。
特に、ヘリコプターが近くに舞い降りたり、
飛び立つシーンの迫力は、ちょっとないものがあった。
この映像とサウンドだけでも説得力があった。
そして、単なるリークで動いてしまうジャーナリズムへ
警鐘も鳴らしていたことにも納得するものがあった。
マット・ディロンも、グリーングラス監督も、
ただのエンターティメントだけでは終わらせない
強い意志を感じた。
大量破壊兵器なんて、元々無いんですよ。
2003年3月19日に米軍を始めとした有志連合がイラクに攻撃を始める『証拠』である『大量破壊兵器』。探せば探すほど、その存在に疑問が生じてくる『大量破壊兵器』の謎に、マット・デイモン演じるロイ・ミラーが命を掛けて迫ります。
いまとなっては『大量破壊兵器』なるモノは、始めから存在しなかったのは明らかになっていますが、この作品の設定年代の頃は、全世界がその発見は今や遅しと待っていた頃ですね。この映画に描かれている事はフィクションですが、アメリカ国防総省(以下DoD)とCIAの確執が、この作品で描かれるように本当にあったのかは不明ですが、どちらもお役所ですから、少なからず何らかの衝突は有ったのでしょうね。
タイトルのグリーン・ゾーンとは、イラクの首都バグダッドの中心部に設定された地域で、連合国暫定当局(CPA)や米国系企業の拠点などが置かれた地域の事。正式には、インターナショナル・ゾーンと言うそうです。また、このグリーン・ゾーンと言うのは、この地域以外のことをレッド・ゾーンと呼ぶことから、その対比として呼ばれていた名称で、グリーンと言う事から安全地帯と思いがちですが、そう言う意味はないそうです。
主人公ロイ・ミラーを演じているのはマット・デイモン。ボーンシリーズ以降、すっかりこう言うマッチョな役が多い彼ですが、今回も、中々いい演技しています。ところで、劇中ミラーは「チーフ」と呼ばれていて、その日本語訳が「隊長」となっているんですが、これは間違いでな無いですかね? と言うのも、ミラーの階級は上級准尉なんですが、これがChief Warrant Officerと呼ばれる階級なんですよね。Chief Warrant Officer自体もCW2の2等准尉からCW5の5等准尉までありますが、階級章が良く見えなかったので、CW2~CW5のどれかはわからなかったです。まぁ、何れにしても、そのChief Warrant Officerのチーフではないかと思います。
これは、アメリカの批評家達には「反米的である」と不評らしいです。まぁ、ミラーの行為をそのまま見てしまうと、そう見えるかもしれません。でも、政治的に描かれるな上級幹部(って言うか、この劇中ではパウンドストーンの事ですが)を見れば見るほど、そして、政治的な上級幹部の命令に従って命をかけている兵士達の働きを見れば見るほど、この作品って、その末端の兵士達に捧げるという意味もあるのではないかと思いました。違いますかね? あ、とは言っても、実際にミラーの様な行為をしたら、軍法会議モノではないかと思います。
この映画に描かれているミラーの行為の有無は不明ですが、それを横においても、アクション映画としては、中々、面白いとは思います。欲をいえば、謎を暴こうとするミラーが、軍人ではなくジャーナリストの方が、もっとそれっぽい気がします。
映画の最後の方のシーンは、いまに至るイラクの混乱を暗示するシーンになっています。
締まらないボヤけた感じ…。
未確認兵器発見を大儀にそれぞれの思惑でそれに携わる高級官僚、諜報機関部員、ジャーナリスト、反対勢力、現地の民族対立…。
状況は複雑ですがこれがうまくリンクしてくる辺りが一番面白かったです。
舞台が戦場ですのでドンパチが始まると何がなんだかわかりません!
特にこの作品はドキュメンタリータッチの映像効果でカメラがブレブレなので劇場の後ろからご覧になることをお勧めします。
前だと字幕か映像かどちらか選ぶことになると思います。
ボーン・アイデンティティーはじめ一連のボーンシリーズの方が痛快で面白いと思いました。
「戦争」こそ無意味。
唐突かつ予定調和な展開が影響して,
骨太にはなっていないけれども,
軍人にハマッているマット・デイモンと,
娯楽と社会派の両立に長けた
ポール・グリーングラス監督の手腕のおかげで,
なかなか面白いサスペンスアクションだった。
唯一の大掛かりなアクション,終盤の激戦が見応え。
イラク国民の
「反米」と「愛国心」の感情を盛り込んでいる点も評価。
インビクタス負けざるもの を観ました
監督 クリントイーストウッド、モーガンフリーマン、マットデイモン主演の映画 ワールドカップで南アフリカチームが優勝するまでストーリですが
、期待通り 俳優の熱演、見ることの少ない南アフリカ風景、すべてに楽しめました。もっと話題、コマーシャルをして欲しかった映画でした。
今度は マットデイモン 得意の 兵士役(アクション)楽しみにしています。
フィクションか、ノンフィクションか?
もう、ずいぶん前に試写で観ました。
戦争映画かな?と思いながら、作品の予告、本編と観ました。
戦争映画は苦手なのですが、
戦争云々という印象ではなく、それによる爆発物やテロが軸という感じ。
もう、最後まで見入ってしまいました。
終始、マット・デイモンがカッコよし。
B前大統領なら考えそう、でもまさか・・ね?と思わせたり・・・。
予告編で印象に残った言葉があり、
「あなたは(上映時間)分、戦場にいる」というようなコピーが印象に残り
まさに、その場にいるような感覚にもなりました。
(↑の言葉はニュアンスです。すみません)
もう一回、観たいなと思います。
大味な演出に、イマイチサスペンスとしての面白味が欠けてしまったようです。
東宝東和試写室でのスニークプレビュー試写会で見てきました。
作品が公式発表されたので、レビューアップします。
マット・デイモン&ポール・グリーングラス監督コンビなので『ボーン』シリーズの面白味を期待している人には、率直に言って、ちょっとがっかりな内容でした。ただ手ブレと超高速カット割を多用したスピーディーな展開は健在です。
ラストのバトルシーンでは、ラストまで一気に突っ走ります。その間ヘリコプターが何機も打ち落とされたり、派手な演出が目立ちます。
但し、『ボーン』シリーズの面白さというのは、細かく計算されたクライシスだったり、アクションだったと思うのです。その点本作では大味な感じがしました。
「グリーン・ゾーン」とは、かつて連合国暫定当局があったバグダード市内10km2にわたるエリアのことです。イラク暫定政権下の正式名称は「インターナショナル・ゾーン」だったものの、「グリーン・ゾーン」の呼び名が一般的でした。物語はアメリカ占領下のグリーン・ゾーンで起こる戦争アクション&サスペンスです。
主人公のマット・デイモンが扮するロイ・ミラーは、CIAの上官による大量破壊兵器調査を補佐する下級准尉。ところが、何度調査に出かけても、目的の「お宝」が出てこないことからロイは、疑問を持ちます。
この疑問から、疑惑は大きくなり、ロイは次第に大量破壊兵器の情報が国防総省およびホワイトハウスのねつ造ではないかという疑いに繋がっていきます。
国防総省がその証人として名前を挙げていたイラク軍アントニ大佐の身柄を巡って、証人を抹殺したい国防総省と大佐を守る部下達とCIAのブラウンとロイが三竦み状態で奪い合うところがクライマックスで描かれます。
戦闘シーンはど迫力なのですが、国防総省が張り巡らす陰謀には全然スリル感がないのが致命的です。例えば、独自に調査するロイが邪魔な国防総省は、彼を暗殺する決定をするものの、全くそんなシーンはありません。安泰なロイを見ていると、緊張感を感じなくなりました。
ロイ自身のキャラも、イマイチ使命感に乏しく、面白味に欠けるのですね。もう少し国防総省やその背景にあるホワイトハウスの陰謀を強調した方が、メリハリが出てきたと思います。
余談ですが、たまたま『ハート・ロッカー』試写会の直後で見てしまったため、同じ爆弾処理シーンで、あまりの迫力の違いに、本作がつまらなく見えて仕方ありませんでした。
本作はイラク戦争を仕掛けたアメリカを一方的に悪と決めつけています。作品で登場するイラク人もベタで、アメリカを非難する人ばかりです。そこには、一切アルカイダやフセインの非道ぶりは登場しません。
けれども実際には、フセインによって迫害を受けてきたシーア派やクルド人がいたわけだし、アルカイダによるテロの脅威は、決してアメリカの自作自演ではないのです。
もしフセインをのさばらしていたら、世界は予言されたとおりの深刻なイスラムvsキリスト教国の最終戦争へ、雪崩を打って突入していたでしょう。
本作のように、大量破壊兵器を盾に取った反米一本槍では、テロが拡散するばかりであったのではないか。そんな疑念を抱かせる作品でした。
その点政治的な主観をいれない『ハート・ロッカー』のほうが、かえって反戦を印象強くしていると思います。
ところでマット・デイモンは2007年から2008年にかけての全米脚本家組合ストライキの厳しい撮影スケジュールの最中であっても、スティーブン・ソダーバーグ監督の映画『インフォーマント!』の撮影が始まる2008年4月15日に間に合うと確信して、その直前にクランクアップする予定であったこの映画に参加したそうです。『インフォーマント!』では、かなりの体重増に挑戦しただけに、大変だったことでしょう。
ボーン・シリーズ×ユナイテッド93=グリーン・ゾーン
☆
ボーン・シリーズ×ユナイテッド93=グリーン・ゾーンでしょうか。
ポール・グリーングラス流のハンディを多用したボーン・シリーズのような
臨場感たっぷりのリアルな戦場を感じさせるカメラワークと
ユナイテッド93のような中立で冷静さを貫こうという視線に、
少し熱さが加わって加速してしまったような作品で、
事実はどうであれ米国が認めるわけないだろうから、
ノンフィクションを基にしたフィクションということでしょうか。
戦争映画というよりも、
こう書いちゃうとちょっと語弊があるかもしれないが、
戦争エンターテイメント映画として、
あるネタに関しては予想の範囲内でそれほど意外性はなかったけど傑作。
通訳として雇うことになる現地の人物の叫びは、
もっともな訴えであり少し込み上げてきてしまった。
彼がクライマックスで取った行動には意表をつかれ唖然としてしまったが、
その行動にもまた納得してしまう自分がいた。
☆
全68件中、61~68件目を表示