「鏡の存在」グリーン・ゾーン いずるさんの映画レビュー(感想・評価)
鏡の存在
DVDの特典は、豪華にグリーングラス監督とマットデイモンによる副音声解説です。
そこで語られていたように、主人公ミラーの私的生活はまったく描写されません。
なぜかというと必要がないから。
この映画はアメリカ人が持つ普遍的な『イラク戦争への不信感』をテーマにしています。
主人公の行動に説得力を持たせる為の過去や、心情というものは必要がない。
『何故その行動をとるのか』ということは、アメリカ人にとって当然わかるものだから。
まあ、それは置いといて、
ミラーのキャラクターが少しも覗けなかったのは残念です。
叩き上げの上級准尉。結構そそる設定なのに。
煙草を吸うのか、アルコールを飲むのか、家族構成は、何が好きで…ということはまるで。
ミラーは象徴的な存在です。
その名の通り、見る人の鏡として位置づけられた為に、私生活は存在しないのです。
エンターテイメント映画としてはどうかと思う手法ですが、社会派作品としては納得。
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