「日本の村に置き換えたら怖さMAX」白いリボン こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
日本の村に置き換えたら怖さMAX
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大人も神様も目をつむるのだと
子供達も幼いうちから骨身に染みついていく。
抑圧されて鬱屈した気持ちは、より弱い存在を
傷つけることへ向かう。
傷つけられるものはそれだけ
価値がないから構わないんだと
言わんばかりだ。
こうした下地があってナチスのファシズムになっていくのだと
納得してしまう。
そして、第三者である教師も、それ良くない、おかしい、と
薄々感じつつも自分の生活から離れてしまえば
あっさりとそれについては忘れていく。
そうやって悪い体制は外へ漏れることもなくいつのまにか
手のつけられないほどに進んでしまう。
こんな状態は常に世界中にあるんじゃないか。
テロや内戦の起きてる国があると知ってるけど、
虐待やいじめや痴漢などがあるとしってるけど、
自分と直接関係ないと通り過ぎていつのまにか後戻りできない
事件などになっていく。
社会の縮図がここにある。
これは第一次世界大戦の前夜。
教師の感覚だと、なんだかよくわからないけど
ヤバイ感じがする、でもはっきりわからない、
確実に嫌な方へ向かってる気はする。
そんな当時の人々の感覚であったのかもしれない。
この村を日本の村と置き換えると背筋が寒くなる。
日本にだってなかったと言い切れないのではないか。
むしろ人間は簡単に悪い方へ流れてしまう。
真実無垢な心でいるには大人はどうするべきか、
社会をどうしていくべきか。
次々と見たくないことを突きつけてくる監督だ。
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