「浮遊感」トロン:レガシー 侍味さんの映画レビュー(感想・評価)
浮遊感
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トロンレガシーのストーリーは結局、現実世界では何も大きな変化が起きる事もなく終わる。
デジタルの世界の不思議僕のアリスである。
ただし、そこには洗練されたデザインと、ダフトパンクが絡み合い、浮遊感のある心地よい世界が広がる。
題名であるトロンは脇役に終わり、目覚めた所で退場する。
この映画はとても不遇で、公開時に目標のヒットに到達出来ず、続編の企画もキャンセルされてしまった。
本来であればこの続編こそがトロンの目覚めであり、本題であったはず。
残念ながら序章に終わり、希望の光を掴んだところで終わってしまうのだが、それでも僕はこの映画が好きだ。
洗練されたスーツのデザイン、キャラクター、ジェフブリッジスの存在感、全てが当時の僕に突き刺さり、今でも定期的にあの電脳空間に潜る日がある。
この映画は一種の映像ドラッグであり、物語は斬新さはない。
それなのに、サントラのリメイク版が出て、あの印象的なバイクを何人もが現実化させようと今もどこかで何かが起きている。
それこそがこの映画の意味だと僕は思っている。
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