「ブランデー片手に鑑賞したい良質なシチュエーションミステリー」苦い蜜 消えたレコード septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
ブランデー片手に鑑賞したい良質なシチュエーションミステリー
映画初出演の人もいるので、
演技の拙い人はいましたが、
シチュエーションムービーとして
成立してましたね。いやいや、ビックリ!!
~~
〈 神様は宗教を信じていない 〉
〈 音楽や映画。文化になるものが道具に成り下がっていないか 〉
劇場配布チラシと予告編から、
とあるバーで発生した事件の謎を
事件現場で解いていくシチュエーションミステリーだというのはわかりました。
地雷の臭いがしていたのは、
リズムが短調になってしまう危険性と
ストーリーの辻褄があわなくなり破綻してしまうんじゃないか。
そのふたつが主な理由だったのですが、タイミングよく挿入される音楽、
切れのあるカット割り、緊張感漂う隙のない映像、役を掴みきり息も完璧にあわせた役者陣と演出。
なによりも、謎に謎を絡めながらも、説得力のある
理由でヒトツずつ、丁寧にといていき、沈んだ地点からスタートさせた観客の
気持ちを、陽の当る温もりを感じさせる地点にまでエンディングで引き上げてしまう脚本。
すべてが寸分の狂いもなくあわさって、
地雷どころか、従来のテレビドラマや、
シチュエーションものとは、また異なった
大人向けの味わいを醸しだす上質なミステリーに仕上がっていました。
個人的には、
島田順司さんを見てしまうと、いつか
「おい、やっさん!」と言い出してしまうのではないかとハラハラ。
池上季実子さんを見ても同じく、いつか、バーの入口を見つめて
「安浦さん・・・」と吐露してしまうんじゃないかとハラハラしてしまいましたが、
そんなセリフを出す訳もなければ、故藤田まことさんがサプライズ出演するはずもない。
あんた『はぐれ刑事純情派』好きすぎだよ!再放送観すぎだよ!!
そう、冷静に突っ込みを入れる自分自身がいました(苦笑)
キャストでは、他にも
原幹恵さんや、渋谷琴乃さんといった
好きな女優(グラビアタレント)さんも
出演されていて、作品とは別の角度で楽しませてもらえました(笑顔)
☆彡 ☆彡
宣伝もあまりされておらず、
今後全国順次公開が決定していますが、
上映される映画館も少なく地味な印象は拭えませんが、
なかなかどうして、侮れない秀作に仕上がっております。
セリフ
小道具
そんなところにも
クスッとしてしまう
遊び心が込められていて
パンフレットを購入しようかどうか迷うほどでした
(結局、立ち読みで済ませちゃった。ごめんなさい)。
力のある役者さんが揃っていますので、
脚本が、ここまで練りあげられていれば
時間を、忘れさせるほどスクリーンに惹きつけてしまう
作品が、完成するのは至極当然のことといえるでしょう。
『苦い蜜』
苦さだけでなく
気品ある甘味も味あわせる
上品な香り漂うミステリーでした。
もし可能なら
ウィスキーか
ブランデーを
片手に贅沢に鑑賞したいところですね(笑顔)