「良く出来た『世界まる見えテレビ特捜部』の再現VTRみたいな映画」アンストッパブル(2010) 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
良く出来た『世界まる見えテレビ特捜部』の再現VTRみたいな映画
ニュース中継で列車を追いながら、現状を報告しているスタイルは緊迫感が溢れ、ノンストップで疾走する展開は最後まで息を呑む。
ベテラン運転士のデンゼル・ワシントンの哀愁ある存在感も光る。
しかし、制御が効かない列車が人々を恐怖に叩き落とす物語は、これまでにも『暴走機関車』や『新幹線大爆破』etc.数多くあり、実話を基にした事を売り文句にする宣伝方法にはナンセンスを感じた。
また、線路での追跡が主なため、距離感がつかみにくい。
機関士と交通局との畳み掛けるやり取りがメイン故に状況を把握しづらく、中盤で少し眠ってしまった。
だが、このスピード感が今作の醍醐味なんやなと思う。
ゆっくり走ってたら、途端に『世界の車窓から』になってまうからねぇ…。
機関士コンビ両者とも、家族と疎遠となっていたが、事故を機に、見失っていた絆と云う名のレールを取り戻していくドラマ展開はやっぱり上手い。
「自分はノロノロ鈍行で良いから前を向いて進んで行きたいなぁ…」
と静鉄の車窓に頬杖を突きながら呟いた帰り道だった。
では最後に短歌を一首。
『火を積んだ 暴走列車 鳴く線路 男気背負い 本線を追う』
by全竜
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