「荒唐無稽すぎるぜAチーム!」特攻野郎Aチーム THE MOVIE 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
荒唐無稽すぎるぜAチーム!
うおおお面白ェ〜〜〜!!
『荒唐無稽』という言葉はこの映画のためにあると言っても過言じゃございません。
戦車が空を飛び、ヘリが側転し、コンテナの山が弾け飛び、コンクリ壁をぶち破って車が飛び出し……(最近のブームを茶化すその精神や良し)。
『ボーン』シリーズがヒットした影響か、リアル志向のアクション映画がとにかく増え、THE・荒唐無稽ムービーの代名詞だった『007』シリーズでさえその影響を受けてこじんまりした映画になってしまった今日このごろ。
いや、それはそれで面白いんだが、やっぱり何か物足りないものを感じるんすよ。
そんな昨今においてこの映画ときたら、もう気持ちがいいほどのハチャメチャっぷり。
『空想科学読本』で真っ先に取り上げられそうな物理法則ガン無視トンデモアクションの数々を観て「リアリティの欠片も無い!」と怒るか「ワハハハ、バカやってんなぁこいつら!」と笑えるか。
いやー、僕は十二分に楽しませてもらいました。
アクションシーンも爽快だが、やはりメインキャラ4名が楽しすぎる。
葉巻を燻らせて不敵に笑う姿がカリスマ性をビシバシ放つチームリーダー・ハンニバル。
二枚目で女好き、軽く見えるが実は熱い正義漢のフェイス。
超怪力なのに飛行機嫌い・非暴力主義と弱点多過ぎなバラカス。
飛行機操縦の腕はピカイチだが頭のネジが4,5本抜けてるマードック。
彼らの掛け合い漫才のようなやりとりや破天荒な行動が笑えてしようがない。
しかし、彼らの正義を貫き通す心や仲間を信じる気持ちは熱い。軍法会議の場で「仲間と同じ刑を」と口を揃える姿にはグッとくるものが。
不満点としては、名将ハンニバルの奇策に案外穴が多かったり、個性的すぎるAチームの面々に対して敵役の存在感が薄かったりする所か。
特に作戦を引っ掻き回す傭兵パイクが、エキストラと同じくらいに存在感が薄いのがイタい。最初の登場をもっと強烈にするとか、もっとコワモテのキャストにするとかして欲しかったなぁ。
しかし結論としては、息つく間もないほどに詰め込まれたアクションと笑いの連発に大満足。久々にスカッと爽やかなアクション映画を観られて嬉しい限り。こういう映画、大好きだ!
あぁそうそう、僕はオリジナルのTVシリーズは観たことが無いが、シリーズのファンの方はエンドクレジットまでお席はお立ちなさらぬよう……。
ちょっとしたオマケが付いてますよ。
<2010/8/21鑑賞>