「まだ三分の一だからなんとも」マルドゥック・スクランブル 圧縮 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
まだ三分の一だからなんとも
シェル・・・殻
ボイルド・・・ゆで卵
ウフコック・・・半熟卵
バロット・・・孵化直前に茹でられた卵
シェルは中身のない殻だけの男。
ボイルドは既に完成された大人の男。
ウフコックは自分が何者なのか模索しているネズミ。
バロットは自己が形作られる前にサイボーグ化した少女。
生きるために自己の有用性を示そうとするネズミと生きる理由そのものを探す少女の「生きる意味」を問うSF。
または、マルドゥックという都市で繰り広げられる卵たちの交差。マルドゥック・スクランブル…エッグ。
途中で出てくる殺し屋っぽい人たちにはお肉由来の名前がついている。
肉体を失った卵たちの対比としてお肉なのかと思ったが、妻は生まれる前の卵に対して既に生まれている肉、子どもと大人の対比ではないかと言う。
今後の展開でサイボーグ化について、単なる設定なのか意味を持つのかによって見方は変わってくるかなと思う。
三部作を一本の作品として考えた場合、まだ三分の一しか観てないわけで、今のところはこんな感じかな。面白かったけどね。
冲方丁という人の他作品から想像するに、ウフコックとバロットの説明されない関係性が重要になるだろうから要注目。
あとは、体を激しく動かさないガンアクションがクール。
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