「単調なストーリー。表現にこだわりを感じさせつつも、ドラマとしてのオチが欲しかったです。」コトバのない冬 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
単調なストーリー。表現にこだわりを感じさせつつも、ドラマとしてのオチが欲しかったです。
手持ち撮影を多用して、ドキュメンタリーに近いライブな感じを出していました。ただ気になるのは、それぞれの台詞の間が長いこと。実生活では有り触れた間の長さでしょうけれど、スクリーン上では、その沈黙がとても長く見えてしまうのです。
おまけに主人公が惹かれていく門倉渉が聾唖者で喋れないから余計です。
白一色に埋め尽くされた冬景色にのなかで綴られる人と人が触れる会う作品としては、そんなに饒舌になる必要はないとは思うものの、少々演出過剰さを感じました。
ストーリーは冬沙子の単調な日々を描きつつ、門倉との出会いにより少しずつこの聾唖の男に惹かれていく沙子を描きます。
そんなとき起こった落馬事故。沙子は、大切な門倉との恋の思い出の部分の記憶を失ってしまうというというのがこのストーリーの核心でした。
記憶を失ってどうなのよ、という部分ではっきりしないのが不満です。この肝心なところを思わせぶりに描いて、何を伝えたいのか?
それは監督が分かっていれば、充分な作品なのかも知れません。
てでも主演の高岡早紀の表情は、いくつもの感情を包み込んでいるようで、とても良かったです。撮影は6年前というから、若いのですよ。
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