「武士もサラリーマン」武士の家計簿 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
武士もサラリーマン
元は、茨城大学人文学部准教授磯田道史のノンフィクション「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」。ノンフィクションの映画化にしては、意外に、物語に富んています。
物語は、堺雅人が演じる猪山直之の長男猪山成之の視点で語られていきます。まず最初に思ったのが、江戸時代末期の武士は、サラリーマンだったんだなぁと言う事実。戊辰戦争になれば、話は少し変わりますが、天下泰平の世の中では、我々現代日本人と同様、仕事場に通勤して、仕事をして、そして給料を貰う、そんな生活なんですね。当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、あらためて映像で見ると、認識が一新されました。
さて、堺雅人と仲間由紀恵の二人ですが、まだ老け役は難しいですかね。若い役であれば、特に問題はないですが、まだまだ本人自身が若いので、老け役は若干不自然に感じました。とは言え、演技自体は、特に問題はないと思います。堺雅人良いですね。
老け役が・・・という意味では、中村雅俊も、ちょっと微妙。もっとも、鹿野れ実年齢は、結構いい年齢なのですけどね:-p
所作とか、衣装とか、算用者の仕事ぶりとか、意外に時代考証をしっかりしている印象を受けました。お陰で、江戸末期の下級武士の、日常生活がよく判りました。時折ほのぼのとするシーンもあり、意外に面白かったです。
コメントする