「算用者としての覚悟」武士の家計簿 重さんの映画レビュー(感想・評価)
算用者としての覚悟
堺雅人扮する加賀藩士猪山直之は、息子に言わせると日本一のそろばん侍であった。加賀藩では150人もの算用者を抱えていた。直之のそろばんの腕は上の者も認めていたが、何せ細かいのでチェックは厳しく融通がきかず、帳尻だけ合っていれば良い事に納得がいかなかった。仲間由紀恵扮する駒と祝言した夜でも直之はそろばんをはじいていた。
武芸ではなく算用でしか生きる術がない事が世襲される家柄なんて本来は困った事だが、徳川末期においては刀を捨ててでも生きる技となる方が良かったのかな。古い帳簿をあさって左遷されてしまいそうな始末でもね。借金で大変な猪山家で、親戚とともにする膳に鯛の絵を描いてしのぐ嫁としての駒の器量も大したものだ。
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