「そろばんが父から子へ受け継がれる」武士の家計簿 スティーブン・スピルバンジョンさんの映画レビュー(感想・評価)
そろばんが父から子へ受け継がれる
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江戸時代後期、そろばんを手に藩の財務を管理する、算用武士の生活を描く。実在する書物が元となるノンフィクション映画。
父は仕事に対して熱心で、周囲から「そろばん馬鹿」と呼ばれるほど生真面目な人間だった。藩内の米の横流しがあった際も、台帳から上役の不正も見抜いた。家の膨らんだ借金が発覚した際も、思い切った考えと完璧な家計簿で見事に借金を返済した。祖父が亡くなった際も葬儀費用の記帳につとめていた。
息子(主人公)は、そんなそろばんばかり父の姿を見ながら、父の考え方や指導に対し不満や疑問を持つようになるが、算用武士の家系を見習い、自分も算用武士として、藩に仕えるようになる。父の厳しい教えもあり、能力をかわれ、新政府軍の財務管理を任されるようになる。
バカ真面目でこだわりが強い父であるが、自分自身の芯や正義をしっかりと持っており、家族に愛情を持っている父だった。最終的には、息子もそんな父のことを理解できるまで成長したのではないかと感じた。
無理矢理指導しているように見えて、息子の将来のことを一番に考えている点が素晴らしい。
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