「「愛」と「そうじゃないもの」」プレシャス DEPO LABOさんの映画レビュー(感想・評価)
「愛」と「そうじゃないもの」
・「パティ・ケイク$」の台詞で「白人のプレシャスかよ」みたいな引用があったので鑑賞したけど、度肝抜かれた。。
・愛とは何かを1ミリも知らないプレシャスの鬼畜逆境地獄成長日誌映画。
・親の行動と言葉は2つに分けられる。「愛」と「そうじゃないもの」。
・この比率は各家庭ごとにバラッバラ。
・プレシャスは親のした事がすべて愛だと感じようとするから超絶葛藤する
・映画のシナリオの宿命として、悪役は徹底的に悪物として描かれるけど、今回は母親がそれ
・母親の行動の99%は愛ではないし、自己保身のためにプレシャスに感情をぶつけているだけ。さらっと嘘もつく。
・この親子間の葛藤は、バシバシ日本の家庭にも普通にあるから共感できる
・人種やスラムというアメリカ的な背景はあるけど、本質は全世界共通のテーマ
・ただし、そんないわゆる毒親の母にも、確かに愛があった。
・それがプレシャス(宝物)という名前に刻まれているという事実がある
・クライマックスの役所で母の愛に気づく一瞬のプレシャスが良いッッ
(すっぴんマライヤキャリーも良い)
・親や環境にコントロールされ続け、死と隣り合わせの状況にさせられても強く生きようとするプレシャスに敬礼。
・現実をぶっ飛ばした妄想チックな夢ではなく、日々の積み重ねで手に入れる超現実的な夢を実現させようとする様がリアル
・「天使にラブソングを」チックに、音楽に救いを見出しました!的な展開かと思いきや、そうじゃなく、生活というリアルのなかだけで完結させていて素敵
・プレシャス宅にて、テレビに映るイタリア語の古い映画。人物がプレシャス親子になり変わって、母親が娘を罵倒するシーン、ここは笑っちゃう。
・全体を通して母親の演技が素晴らしい。