君と歩こうのレビュー・感想・評価
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前半の面白さに対して、中盤から少しずつ破綻を起こす
石井裕也監督が商業デビュー作、『川の底からこんにちは』の前に撮った作品。
前半の駆け落ち部分の面白さは異常(笑)
『川の底…』同様に、テンポあるセリフ廻しの応酬には、絶えず笑いが起きる。
大体、セリフでも突っ込まれていた様に、駆け落ちするのに学生服なんか着るかぁ〜
そして東京での生活。
ちょくちょくとセリフで笑わされながら、30半ば女の悲哀とやせ我慢を描く。演じる目黒真希がとても良い。半分意地になっている女の一面を巧みに演じている。
一方彼の方は…。彼は幼い9歳の男の子と知り合うのだが、男の子の勘違いから有名野球選手になりすます。
この幼い男の子との触れ合う辺りから、映画は少しづつですがストーリー的には破綻をきたして来る。但しこの男の子自体は、映画のクライマックスでこの30半ば女の実は…と言う部分に重なって来る…とゆう話だけに、まぁ間違いでは無いのですが。
もう1人、駆け落ちした2人に絡んで来る人物が、カラオケ屋でバイトする女子高生役の吉谷彩子。
彼女は、駆け落ち経験者の先生との、比較対象的な存在として登場する。
幾ら幼い子供でもあんな勘違いはしないだろうし、バイト女子高生だって、○○○○しょうと考える彼氏が居ながら、男の子を誘惑するのか?…って辺りがストーリー的に、果たしてどうなのかなぁ?…ってところは少し有りますね。
また彼には、両親に関する悲しい過去を心に抱えているのですが、何故両親がそうなってしまったのか?彼はどう思いながら日々を過ごしているのか?その事に対する説明は映画の中では特に描かれはおらず、中途半端な感じは否めない。
『川の底…』では多くのウ○コネタが散りばめられていた。
人間の排泄した物が、やがて新たな食を産む。人間は土に生まれ、そして土に帰る。
残った骨だってしじみの餌になるかも知れない。
そんな発想の出発点だったのか?映画の中で、男女の知り合うきっかけとして、ウ○コネタが利用されていた(笑)
「HOW…」
幾ら何でも知ってるだろ〜(笑)
音楽の使い方。挿入のタイミング等、とても巧い。
今後は益々目が離せない監督だと思う。
(2010年5月26日ユーロスペース/シアター2)
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