劇場公開日 2010年1月30日

  • 予告編を見る

「怖いけど、リアリティへの追求が足りません。」パラノーマル・アクティビティ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5怖いけど、リアリティへの追求が足りません。

2010年2月3日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

単純

他の方のレビューで「そんなに怖くない」と聞いていたが、自分には「勘弁してください」ってくらいに怖かった……。

まあ元来ビビりな僕の『怖かった』はアテにならないが、序盤で起こる怪奇現象の後で劇場から逃げ出す方もちらほらいたので、このテの映画が怖い人にとっては堪らなく怖いんじゃないかと。
眼球の前に針を突き出されているような緊張感が延々と続き、観終わってからドッと疲れた。

とはいえ、結局のところはお化け屋敷的な、『飛び出てビックリ』な怖さでしかない。
エスカレートしていく怪奇現象には恐怖を覚えても、謎を追うごとに深まる恐怖や、後を引く恐怖といった要素は皆無。
ストーリー展開も一本調子だしね。ラストにも他作品とは違うヒネリが欲しかった(当初予定していた別エンディングもあるらしいが)。

主人公達の行動にリアリティがないのも×だ。
特に、本気で怖がりまくる彼女をそれでも冗談交じりに撮り続ける彼氏のアホさ加減には辟易。こんな奴、現実にいるか?

『REC』『ブレアウィッチプロジェクト』『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』には「それでもカメラを回し続ける」という理由が明確に存在したが
(ジャーナリストとして真実を伝えるという使命感や、現実を映像として受け入れる事での恐怖の緩和といった具合)、
この映画ではその理由が見当たらない。記録映像を霊能者に見せて相談する訳でも無く、単に彼氏が撮りたいから撮っているだけなのだ。
最後の方ではその理由すら無くなる。まあ撮らなきゃ映画にできないけど。

「逃げても無駄だから」という理由で主人公達がどこにもいかないのも妙な話で、教会に逃げ込むとか、誰でもいいから人が沢山いる所に行こうとするとかしそうなものだが、どうだろう。

低予算で良く頑張っているとは思うし、怖いとも思うが、映画の総合的な出来としてはイマイチ。リアリティ不足です。

浮遊きびなご