息もできないのレビュー・感想・評価
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手ごたえありの初長編監督作品
拳でしか他人と付き合えない男は女子高生でさえ殴る。彼がそうなったのは強すぎる父親に問題があった。父親が弱くなった今では自分が強く出るしかないのだ。
そんな彼と知り合った女子高生も彼と同じように家庭に問題があった。そんな二人だけに惹かれあうのだが、彼女の弟が彼に近づき悲劇を起こす。家庭の問題を姉のように受け止めることができなかった弟はどんどん堕ちてしまう。
「息ができない」というタイトルのように、前半は暴力に息がつまり、中盤は彼らが抱える家庭環境に胸がつまり、終盤の悲劇的な展開に涙する。
同じ韓国の新人監督作品の「チェイサー」には乗り切れなかったがこれにはひかれた。
ヤン・イクチュン監督 心の叫び 魂の咆哮を耳にせよ
第10回東京フィルメックス観客賞・グランプリW受賞
これは、東京フィルメックス始まって以来の快挙です!!
今作、公式パンフレットに配給会社名が載っており、
日本公開が、その時点で決まっていたので、映画館で
ロードショー公開されたら観に行こうと、パスしていました。
それが、クロージング作品
『渇き』の前に催された授賞式のセレモニーでW受賞。
しかも、自宅前で撮影したという受賞を喜ぶヤン・イクチュン監督が
道路を、走ってきた車にはねられそうになりながら、無邪気な笑顔で
変態ダンスを舞いながら、受賞を喜ぶ映像がスクリーンに映しだされる。
これは、絶対、公開されたら
速攻で、観に行ってやろう!
その瞬間、心にかたく誓ったのでした。
☆彡 ☆彡
・・・コトバになりません
涙、泪、涕、ナミダ、なみだ
パンフレットを購入し読みながら
帰ったのですが、いくつものシーンが
頭の中に甦ってきてしまい、パンフを閉じても涙止まらず。
映画館、電車内、家路につく道、家に帰宅
映画館から家に帰宅するまで泣き続けていました。
電車内では、ずっと俯いていました。道を歩くときは
夜で外が暗くなっていたので、暗闇をヒックヒック、
涙をしゃくりあげながら歩いていました。
涙だけじゃなくて、叫びたくてしかたがなくなり、
でも叫ぶ場所はない。自宅の湯舟にお湯をはり、
風呂に入るとき、湯舟にはられたお湯をこぶしで、
何度も何度も殴りつけてしまいました。
顔は、飛び散ったお湯と涙で、グチャグチャでした。
◇ ◇
私、映画を観ていて初めてです。
家族や友人が笑顔で食事をしている
シーンを観て号泣してしまったのは。
もうたまんなかったんです。
そこに辿り着くまでの道のり、
そこに表れる笑顔の裏に潜むもの、
そのすべてがあまりにも重過ぎて、
それを思うとみんなの笑顔が悲しくて、
涙が止まらなくなってしまいました。
◇ ◇
ヤン・イクチュン監督。
監督自身の体験や、周りで起きたことを
ベースにして、脚本を書き上げたそうです。
パンフレット、映画雑誌に載っているインタビュー
そういったものを読んでの感想なのですが、
「この映画を作らなければ、なにも始められない」と
監督自身の中から沸き起こる衝動のようなものに、
突き動かされて作ったのではないかと。
そして、
衝動は大きすぎて
映画でありながらも、
映画としてスクリーンの中に収まりきらない。
叫び
悲鳴
心の声
声なき声
スクリーンには映っていないもの
無数の矢がスクリーンから放たれる。
暴力
罵詈雑言
自分を表現する方法を知らない。
他人とコミュニケーションをとる方法がわからない。
一匹狼
わかりあえた
友人ができた
家族ができた
それは一瞬
一匹狼は
一匹狼としてしか生きていけないのであった・・・
☆彡 ☆彡
本読みなし、リハーサルなし
役者には最初から全て出しきって欲しい
ヤン・イクチュン監督は役者にリクエストしたそうです。
DV
貧民街
ベトナム戦争
暴力的ではあるけれども
決して眼を背けてはいけない
韓国の家族が、そこに存在しました。
ヤン・イクチュン監督が
自宅を売り払ってまで作った
心と魂だけで勝負した低予算映画。
こんな作品が商業的にも成功した
韓国の映画に対する姿勢に敬意を
表すると同時に、嫉妬を覚えてしまいました。
『息もできない』
2010年3月。
私は奇跡の瞬間に遭遇したのかもしれない。
家族って。。。
2回観たけどまた観たい作品
昨年の東京フィルメックス、先月の試写会と監督のアフタートーク付きで2回観ました。
はじめてフィルメックスで観た時は「良くも悪くも、とにかく凄い作品」という印象と、とにかく胸がヒリヒリ痛かった事を覚えています。
でも表彰式で観客賞と最優秀作品賞の2冠受賞が発表された瞬間、何故か鳥肌がたちました。
そして試写会で再鑑賞。上映トラブルで一時中断したのは残念でしたが、結末を知っているのに最後までハラハラしたり、また新たな発見があったり…また観たいと思ってしまう自分がいました。
「韓国映画=恋愛モノ」という人(いまだそんな人いるか不思議です)にはしっぺ返しにあった気分になるかもしれませんが、昨年の「チェイサー」「母なる証明」といった作品が気に入った方には是非観て欲しい作品です。
怖かったです。
1/28、試写会が当たって見に行ってきました。
場所は韓国文化院 ハンマダンホール にて。
上映後には、この映画の主人公を演じていて、
監督のヤン・イクチュンさんの、Q&A付きという、
ゴージャスなものでした。
なんでも、国際映画祭・映画賞で25以上もの賞に輝いた作品だということ、
とても期待して見に行きました。
私は内容を知らずに見に行ったので、韓国映画というからラブストーリーかと
思っていました。
この映画は、監督自身がご両親と仲が悪くて家族の悩みを抱えていたから、
自分の怒りや憤りを作品にしたようなことを話していました。
特に社会に訴えるとかよりも、
監督がご自分の悩みをこの映画で解決し、
監督のご両親もこの映画を見て喜んでくれ、
監督自身の家族とのわだかまりを解消できた、
そういう意味での素晴らしい作品なんだとか。
最初のシーンから殴る、蹴る、暴力のオンパレード。
登場人物の家庭ではドメスティックバイオレンスがあふれ、
男が女に手を挙げ、殴る、蹴る、殴る・・・
映画もダラダラと長くて、最初から最後まで暴力シーンで、
正直、私にはキツイ映画でした。
残念ながら、韓国と日本の文化の違いか、まったく共感が出来ず、
この映画の良さが判りませんでした。
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