「シバラマ~~~~~!!!( ゚Д゚)」息もできない 初台験さんの映画レビュー(感想・評価)
シバラマ~~~~~!!!( ゚Д゚)
これは(・∀・)イイ!!
暴力と脅迫で借金を回収することを生業にしてる無骨な借金取りの男が、ふとしたことから女子高生と知り合いになって交流を重ねるうちに優しさを取り戻すという、話自体はさして目新しいものでもない。
でも一見関係なさそうな登場人物が、実は裏ではしっかりつながってるという設定が実に巧みで上手い。
その女子高生の兄貴が主人公の働く借金取りに就職し、主人公の下について借金を回収する方法を教わりながら働く。
その社長は主人公とは古い付き合いで、今は人懐っこい感じだけど昔はチンピラよろしく街を破壊して盗みや暴行を働いてた。
主人公は親父に虐待されて育ち、その勢いで親父は自分の娘、主人公の妹を殺してしまった過去があり、いまだに親父を憎んでいて顔を観るたびにぶん殴ってる。
そして女子高生の方も父親から虐待をされている。
そんな似たような境遇が互いを引き寄せたという側面もあり、徐々にいい関係性を作っていくが・・・
そして親父が手首を切った所に出くわし、そこでは人間性が発露し、憎んでも憎み切れない親父ではあるけど急いで病院に連れて行く。
そして主人公は人間らしさを取り戻す。
しかし自分の後輩、つまり女子高生の兄貴が仕事を覚えていくにつれ脅迫と暴力で返済を迫るやり方を覚えたものの、主人公は優しくなっていって次第に暴力を振るわなくなる。
それを観た後輩は、ふがいないと感じて主人公を殴り殺す。
そしてかつて主人公が歩んだのと同じような道を歩み、そしていずれ同じような流れになるだろうことを臭わせて終わる。
まず役者の表情が素晴らしい!!!
特に主人公のあのファッションがまた無骨さと暴力性を上手く表現できてるし、女子高生の気の強さも(・∀・)イイ!!
兄貴の狂気を感じさせる目つきと言い、姉さんの子供の表情もすごくイイネ♪d('∀'o)
監督主演のヤン・イクチュンは、暴力は暴力を生むという暴力の連鎖、そして憎しみは何も生み出さないことをこの映画で伝えたかったんだと思うし、それは見事に伝わってると思う。
あの「せっかくうまくいきかけたのに・・・」という残念さを醸し出す絶妙のタイミングで主人公を死なせる演出は本当に見事だし、あのタイミングで死なせることでこの映画の持つメッセージ性がより際立って観客に伝わると思うスンゲェ──―Σ(゚∀゚ノ)ノ─―─ッ!
韓国映画の中でも1、2を争う大傑作(`・ω・´)ゞ