「前作ありきの楽しませ方」ディセント2 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
前作ありきの楽しませ方
前作ありきな作品のため、前作の観賞は必須。ファンとしてはもう洞窟に何がいるのか、どうなっているのかは把握しているため、その辺の恐怖感や絶望感に関する思いは半減してしまう。
続編は第1作の良さを超えることが出来ないと言われているのは、そういった意味も含まれているのだろう。実際に両作品とも鑑賞した上でどちらが好きかと聞かれればパート1を挙げるはずだ。
しかし、本作にもなかなか良い点がある。完全な新規軸のストーリーにせず、前作での展開を掘り下げる様な構成になっている為、回収するところはきちんと回収出来ていると思われる。また、前作のヒロインを再び起用した点も素晴らしい。地底で鍛えられた肝っ玉の座ったキャラクターに豹変した彼女は、最後に忘がたい展開を迎える。
本作に小太りの保安官が初登場となるのだが、彼が本作におけるイライラ展開の元凶である。生き延びた前作の主人公を精神異常者と見なし、自身の手と手錠をかけて行動を共にするというまさかの行動制限に晒される。地底人を見ていない人間からすれば確かに分からなくもなく、証拠が揃ってしまった状況では前作の主人公を疑うのはやむを得ないだろうが、どうも"無能保安官"のイメージが付いてしまった。
第1作の偉大さを改めて理解したのが正直なところだが、続編としてやるべき事はやれているように思える、凝った作品だったと言える。
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