「アルバート公に惚れます(顔じゃなくて…)」ヴィクトリア女王 世紀の愛 めぐ吉さんの映画レビュー(感想・評価)
アルバート公に惚れます(顔じゃなくて…)
この作品で、主演のエミリー・ブラントはゴールデングローブ賞主演女優賞ノミネートされたのですね~。なるほど。
もちろん、エミリー・ブラント自身、「プラダを着た悪魔」以来ものすごーく注目されている才能溢れた女優ですが、、
まだ若い彼女が脇の素晴らしい役者陣に支えられ、この賞にノミネートされたということが、
若かったヴィクトリア女王が、実の母も含めた“敵”に囲まれつつも、
周りから愛され、真の女王となっていった姿にちょっと重なって見えます。
ヴィクトリア女王は、高校時代、世界史を選択していたワタシのいちばん好きな歴史上の人物でした。
なぜか…というと、ヴィクトリア女王について発表しなければいけないことになり、
調べているうちに、女王の身長がワタシとほぼ同じ身長の150cmちょいだったとわかったから。
女王がそんな小柄なんて!!!と、単純なワタシはすっかり親近感を持ってしまって。
さらに、夫のアルバート公とはいつまでも仲睦まじく、二人の子供はなんと9人!
しかもアルバート公が早くに亡くなった後は、ずーーーっと黒いドレスしか着なかった…
というエピソードも乙女ゴコロにぐっときました。
二人の名前がついた、「ヴィクトリア&アルバート美術館」が、服飾メインの美術館というところも、
「そうそう、そうなのよ~」とお洋服好きのワタシの心をくすぐりますねー。
そして今回の作品は、そんな二人が出会い、固い絆で結ばれる姿を描いたもの。
観てつくづくと、アルバート公の賢さ、誠実さ、器の大きさに惚れました。
最初は、ベルギー国王の叔父の“スパイ”として、女王を陥落させるべく送り込まれるのですが、
やがて女王自身を本当に愛するようになり、叔父への報告そっちのけで、
実母からも騙されそうになっている女王を守るのです。
さらに、当時の政治家が右派にしても左派にしても、
生活に困っている人たちをバカにして、「福祉なんてやってもムダ」と豪語しているのに、
アルバート公は住宅の供給やさまざまな福祉事業を、具体的にプランを立てて実行していきます。
すばらしい!!!
そりゃー、ヴィクトリア女王がベタ惚れするわけだわーと大納得です。
ヴィクトリア女王の時代、イギリスは安定し、栄華を極めたわけですが、
頑固すぎる性格の女王だけだったら、そんな風にはなっていなかったでしょう。
たった42歳でアルバート公が亡くなってしまったことが、本当に悔やまれます、、、