「うらやましい」アンヴィル!夢を諦めきれない男たち ヨギベアさんの映画レビュー(感想・評価)
うらやましい
へヴィメタルの先駆者と言われながら大ブレークすることのないまま、いつの日かスーパースターになることを夢見て30年間も活動を(断続的に)続けてきた売れないロックバンド「アンヴィル」の、笑いたくなるほど泣けるドキュメンタリー。
ヨーロッパツアーに出たはいいが、素人同然のマネージャやいいかげんな興行主のおかげで、小さなライブハウスもスカスカの客入り、ギャラも出ない。苦労はしても好きな仕事(仕事なのか?)にひたむきな二人に、共感というよりも羨望を覚える。老後の心配が先に立つ凡人としては、この二人にかつての自分の姿を重ねて、アンヴィルがスターダムにのし上がること=自分の夢の成就だと思いながら観た。
アンヴィルの二人がまたでき過ぎたキャラクターで、片や小柄な直情径行タイプ、片や冷静ななだめ役の大男と、絵に描いたような凸凹コンビ。筋書きがあるのではと思われるほどうまいこと展開する「ストーリー」。底辺バンドの生活、再起のチャンス、奮起、仲違い、挫折、そして花道(?)。これはロック版『レスラー』か?
終盤、思い出の地・日本でのライブのシーンは胸に迫る。
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