劇場公開日 2010年4月10日

ダーリンは外国人 : インタビュー

2010年4月2日更新

井上真央、“夫”ジョナサン・シェアとともに思いめぐらす家族観、結婚観

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同作には、小栗とトニーという厳然たるモデルが存在する。しかし、井上とジョナサンは、ふたりとの対面を通して実在する人物を演じるうえで生じる不安は霧消し、意欲を新たにしたという。

井上は、漫画を執筆するシーンについて小栗本人からじきじきに指導を受け、吹き替えなしで撮了。「こう演じてほしい、こういう作品にしてほしいという要望はありませんでした。『お任せします』という感じが伝わってきたので、原作の主人公に自分を投影するのではなく、映画として新しいものを作るという感覚の方が強かったです。おふたりが本当に素敵なご夫婦だったので、その雰囲気を出しつつ、原作の面白いエピソードを映画として成立させたいなと思っていました」。

ジョナサンも、撮影前にトニーと数回会ったそうで「とても短い時間だったので、彼を研究する時間はありませんでした。『やりやすいように、演じたいようにやってください』と言ってくださってからは、力が抜けて自分の思うように演じられました」と笑みを浮かべた。

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■越えられない問題はない(ジョナサン)

また、ふたりにとって国際結婚というテーマは、演じるうえで身近なものとして受け入れることができた。井上の友人や親戚など周囲に国際結婚の前例があり、ジョナサンに至っては自身が日本人と家庭を築いている。

それだけに、「日本人同士だって、生まれた場所も環境も違うわけだし『何で分からないの?』とぶつかることだってあるじゃないですか。国際結婚ってお互いに分からない部分があるから許しあおうとする能力が高かったりするのかな。でも、決して特別なことじゃないですよね」(真央)、「改めて思ったのは、国際結婚が決して簡単なことでないのは事実なんですよ。毎日がハッピーということよりも、乗り越えなければならない部分もたくさんありますし。ただ、ふたりが力を合わせれば越えられない問題はないのかな……と思います」(ジョナサン)と最後まで軸がぶれることはなかった。

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■みんなハッピーになる結婚をしたい(真央)

撮影を終え、4月10日からの公開を控える今、家族について、結婚について考えてもらった。ジョナサンは、「結婚ってふたりだけの問題じゃないですよね。言葉が通じないのは仕方のないことですが、嫁さんを歓迎してくれたり、僕を受け入れてくれたりして。改めて家族の支えが大事なんだと思いました」と実体験に基づいた説得力ある返答。井上は、劇中で家族として共演した國村隼、大竹しのぶ、川岡大次郎、国仲涼子の姿を思い浮かべながら「結婚したら、自分たちが子どもや家庭そのものを守っていかなければならないですよね。家族のありがたさとともに、守られているんだなとつくづく実感しました」。だからこそ、自身に当てはめ「家族に祝福される結婚をしたいです。ふたりの幸せをみんなが願ってくれて、みんなもハッピーになるような結婚をしたいなと思いました」と目を輝かせた。

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