劇場公開日 2009年10月24日

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きみがぼくを見つけた日のレビュー・感想・評価

全42件中、41~42件目を表示

4.0唐突で必然な時間旅行。

2009年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける



 エリック・バナが演じるターミネーターばりに素っ裸で
 唐突に時間旅行をしては戻ってくるヘンリーの病気というか、
 体質を治そうと、この作品では多く存在するどっちが先だよという
 ヒントを基に遺伝子学の博士を見つけ出し治療しようとする過程が
 凄く中途半端でバッサリとカットしちゃったんだろうな。
 しかし、重要なシーンには存在するし、博士を出さないわけにはいかなく、
 本来は治療しようとするシーンがもっと多かったが
 存在してもおかしくないように繋いだという印象が残る。
 はっきり言って必要なかった。

 監督はフライトプランのロベルト・シュヴェンケで
 エリック・バナと同様に少々の不安があったが、
 ゴーストのブルース・ジョエル・ルービンの
 脚本がいいこともあってか非常に切ない仕上がりで、
 大切な人との時間を大事にしようと思わせてくれるのではないでしょうか。
 時間旅行しなくったって突然目の前から大事な人が消えることはある。
 だからこそ後悔しないようにしたいと思うだろうが、
 でも、逆に離れているからこそ分かることもあるんだよな。

 監督の持ち味はフライトプランでもあった、
 ガラスへの痕跡の残し方であろうか。
 成長を一気にワンカットか、ワンカットっぽくか、見せる演出もよかった。

 クレア(レイチェル・マクアダムス)は子供の頃に
 ちょっと老けたヘンリーに会っており、そこから不定期に会ってきた。
 なのでヘンリーが始めてクレアに会った時にはクレアは待ってました状態で
 ちょっと若々しいヘンリーに積極的に向かっていく。
 この辺は製作総指揮にブラッド・ピットが参加してるから
 というわけじゃないだろうが、ベンジャミン・バトンの雰囲気も感じさせ、
 そこからヘンリーが実際に生きてる時間での恋愛が始まる。

 ヘンリーは一緒にいて欲しい時だろうが、頻繁に吹っ飛ぶし、
 クレアは切なく寂しいだろうけど、
 吹っ飛んだ先でヘンリーは意味のある大切な時間を過ごしてもいる。
 母親に会うシーンとか、あの子に会うシーンとか、とても素敵。

 面白いのはタイムトラベル先では自分自身に会っちゃいけないとか、
 自分を知ってる人に会って未来を変えちゃいけないとか、
 会うことで大変なことになるとか思っちゃってるけど、
 この作品ではそれすらも運命というか、必要なことになっている。

 未来を見てよからぬことを考えようが、
 悲劇の未来を見て変えようと努力しようが、
 変えようとしても、何もしなくても、僕としては未来は変わらず、
 どちらにしても未来には組み込まれていて、
 全て一本道なんだろうなと思っちゃってるところがあるので、
 過去で、未来で、どんどん重要人物に関わっていくこの作品はなんかいい。
 もちろん、辻褄を合わせようと努力してスッキリする作品も好きですが。

 この作品のレイチェル・マクアダムスは超キュートで素敵だけど、
 それ以上にいい仕事をしてるのは子役たちだと思う。
 エリック・バナは負けてんじゃないかよと思ってしまうぐらい、
 ホントに子供らしい可愛らしさで、未来の自分に嫉妬しちゃうところとか、
 あの子が抱きついてくるシーンとか非常によかったです。

 ところであの子は吹っ飛んだ先でどうしてたんだろう。
 ヘンリー以上に苦労しただろうな。

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いきいき

4.0SFでなくに予想取り進行してしまうところが残念なところ。

2009年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 『ゴースト/ニューヨークの幻』の脚本家が手がけた脚本だけに、共通点がありました。それは愛しい人と会えなくなること。
 『ゴースト』では、霊界へと旅だった彼氏との交流でした。本作では、タイムトラベラーの彼氏と恋に落ちてしまう話。
 あくまで、ラブロマンが話のメインなので、何でタイムトラベルしてしまうのか、『時間遺伝子』の影響としか語れません。また『バック・トゥ・ザ・フィーチャー』で描かれた時間歪みの克服といったタイムトラベルならではのストーリー展開も押さえられています。むしろ本作は、タイムトラベルは出来ても、決して過去や未来の出来事は変えられないものという縛りをかけているのです。
 その制約のもとで、物語の進行と共に、主人公に起きる未来を少しずつ見せていきます。どうにも防ぎようがない、その切ない運命を、当人と愛する家族が次第に哀しみと共に受け入れていく物語です。

 タイムトラベルとしての説明がないので、SF目当てにはお勧めできません。あくまで秋に相応しい、ヒュアになれそうなラブストーリーをお探しの方が見るべきです。

 主人公のヘンリーとクレアの出会いは衝撃的でした。
 大学の図書館で偶然であったヘンリーにクレアは、6歳の頃からこの出会いを待っていたといきなり告白するのです。ヘンリーにとっては、6歳のクレアにタイムワープして出会うのはあと10年たって、彼女と結婚してからのことだったので、記憶になったのです。しかしクレアにとっては、6歳から度々であっていたので、同じ時間軸での出会いを待ち続けていたのでした。そしてその時々のヘンリーから、自分に出会ったときの口説き方までアドバイスを受けていたのでした。
 ロマンを映画に求めている人にとって、「あなたとは深い縁ですでに結ばれている」と告白するふたりの運命的出会いは、ドンピシャではまると思います。

 その日のうちに結ばれたふたりはトントン拍子に結婚へ。でも問題は、アットランダムに起こってしまうヘンリーのタイムワープ。結婚式には何と未来のヘンリータイムワープしてきて代役を務める始末。
 クリスマスも新年も、肝心なときにいなくなるヘンリーに、孤独さを滲ませるクレアであったのです。俺も話がしたかったと戻ってきたヘンリーに仕事があるのよとクレアはつれなく当たるばかりでした。
 じゃあ職住が接近すればいいのだろうと、ヘンリーがタイムワープを活かしてあっと驚く方法で解決します。ぜひ劇場でご確認を。

 ふたりの仲がピンチになるもう一つの事件は、流産。ヘンリーの遺伝子を受け継いだ赤子は、クレアのお腹にいるうちにワープして何度も流産してしまうのです。そんな自分の体質を悲観したヘンリーは、クレアに相談せずパイプカットの手術を受けてしまいます。 事実を知ったクレアは激怒。でもあれれ?街をゆく、ヘンリーを意味深で見つめる女の子は、クレアの少女時代にそっくりなんです。ということは、どうやってクレアはヘンリーの子供を授かるのでしょうかねぇ(^_^;)

 ところで、ヘンリーのタイムワープ能力には重大な問題がありました。いつどんな場所へ飛んでいくのか、コントロール不能なこと。そして、着衣はワープできず、いつも素っ裸で飛んでしまうことです。飛んでいった先で、衣服を盗み出すまでが一苦労。
 ところが後半では、極寒の山間部に飛んでいくことが多くなり、寒さがヘンリーの肉体を蝕むようになってしまうのです。

 ラストのだいぶ前で、ヘンリーの最後がどうなるのか明かされ、それに向けてやっぱりそうなるのねと予想取り進行してしまうところが残念なところ。
 そうと分かっていても、韓国映画の終盤なら徹底的に涙腺攻撃を仕掛けてくるでしょうけど、敢えてお涙頂戴的な演出は避けています。

 またハリウッド映画的に、無理なドンデン返しもありません。ラストのワンシーンを除いて穏当に進んでしまうところが、物足りなさを感じさせます。
 ○○歳のあなたに、いま会いにいきますなんて、竹内結子が出てきそうなシーンもありませんでした。

 けれども、いま愛し合っているカップルに、この作品は素敵なメッセージを発信していると思うのです。それは、一緒にいるからといって、愛が見えているとは限らないこと。 『ゴースト』と同じく、離れれば離れるほど、深まる愛もあるのだということです。

 お互いが当たり前だと主張しあい、ぶつかることが多くなってきたカップルならば、ちょっとこの映画を見て、お互いに少し距離を置いて、相手の気持ちになってあげられることも必要なのではありませんかにぃ~(要らぬ御節介じゃ~)

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流山の小地蔵