劇場公開日 2009年11月14日

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「ジワジワくる怖さ」THE WAVE ウェイヴ gunsさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジワジワくる怖さ

2015年12月18日
iPhoneアプリから投稿

実際にあった話を元に作られた映画で、ある教師が独裁が現代では起こりうるのかというテーマで1週間授業を行い、面白半分で始めた生徒達が知らず知らずのうちに独裁の虜となっていき、プロジェクトを始めた教師自身も制御できない事態になってしまうという映画です。現代では独裁は起こらない、自分は大丈夫とどこかで信じている学生達が、独裁によってもたらされる連帯感、仲間意識、優越感という蜜の味に酔いしれて、選民思想的な考えを正当化していく。そこに至るまでのプロセスがジワジワときて、ホラー映画よりも怖かったです。特にメインキャラの1人の、気弱な生徒が独裁によって、初めて集団意識というものを覚えて自分が特別な存在だと感じてから、心の奥底に潜む闇が一気に解放されていくところがゾクゾクきました。人間とは本当に弱い生き物で、良くも悪くも一人では生きられないのだと思わされる映画でした。

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