「実でも、種でも。」花のあと ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
実でも、種でも。
クリックして本文を読む
藤沢作品が好きなので、臆することなく観に行った。。
北川景子が時代劇…?という不安(おそらく本人も)な
配役に驚きつつ、冒頭の違和感が抜けていく成長ぶり、
劇場はやはり(爆)中高年の嵐だったが、彼女のことを
知っているオバさま方は一体どのくらいいたんだろう?
「この子知らないのよね~」という声が方々で聞こえた。
武士の家に女として生まれてしまった負目からなのか^^;
剣の道を極めてきた主人公の以登。すでに許婚も決まり、
あとは彼の帰りを待つだけの日々。そんな中、同じ剣術
の達人で下級武士の江口孫四郎と花見の席で出逢い、
試合の約束を交わす。手抜きをせず竹刀を交えてくれた
彼に恋心を抱く以登だが、もう彼と逢わぬよう促される。
孫四郎の縁談も纏まり藩命で江戸に向かう彼だったが…。
冒頭のぎこちなさが中盤以降で段々と解けて、ラストの
仇討ちのシーンは意外にも鮮烈な印象を残すまでになる。
北川景子の無口で芯の強い女剣士ぶり、許婚に扮した
甲本雅裕の体たらくのようで実はキレ者という男前ぶり、
「人は見かけに依らぬもの。」
を地でいくような、面白さが後半で幕を開ける。
昨今の若い人は何かとすぐ「キレる」みたいだけど、
本当のキレ者とはこういう頭の使い手を指す褒め言葉。
どうせキレるならこっちでキレてみせてほしい^^;
完成度の高さよりも、清々しい余韻を残した佳作。
惚れた。斬った。晴れた。の単純さが却って心地良い。
(これも桜がキレイな作品。正坐で花見。はムリだけど^^;)
コメントする