十三人の刺客のレビュー・感想・評価
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ブラックな時代劇
役者さんの豪華さにつられて観たものの、三池監督のテイストは私にはどうも合わなかった。
役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、伊原剛志、松方弘樹、稲垣吾郎、市村正親etc. 役者陣は挙げるとキリがないくらい豪華。
役所さんの映画を包み込むような安定感や松方さんの冴えた殺陣、ゴローちゃんの意外にハマった暴君役、伊勢谷さんのコミカルな演技などは観ていて楽しめた。
ラスト13人対300人の長ーい斬り合いも、斬って斬って斬りまくれ!のかけ声そのままに、飽きずに観ることができた。
けど映画冒頭から始まるグロい描写がずーっと尾を引きイマイチ痛快さや面白さは感じられず、次々倒れる仲間の最期にも感動の涙…というわけにいかなかった。
眉ナシお歯黒、顔を白く塗りたくった女や蝋燭だけのほのかな灯り、暴君の異常な残酷さ…映画全体をおどろおどろしさが覆い、その合間に斬られた首がゴロゴロ、伊勢谷友介と岸部一徳のあっと驚く展開などブラックな笑いが挟まれ、それらが特徴的で味がある…と言えなくもないけれど。
どうも趣味が悪く感じてしまった。
御免
精一杯生きる
山田孝之の映画
名も無き私達の、物語
「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」などの作品で知られる三池崇史監督が、役所広司、伊勢谷友介などを迎えて描く、時代劇。
一本の刀は、人を3人斬ってしまえば脂で刃が汚れ、満足に人を斬ることが出来なくなるという。戦国の世、己の命よりも大事なものとして扱われることの多い一振りの刀。だが、いざ戦になってしまえば、それほど最強の武器として重宝されるとは言えなかったのかもしれない。
本作は、一人の特別な輝きを放つ俳優を軸に展開するスター映画ではない。特殊能力を発揮して悪を倒すスーパーヒーローの活躍する作品でもない。力も、大した地位も無い庶民が命を懸けて一つの目的を果たす、いわば「私達の映画」なのだ。
だからこそ、庶民の代表として集められた十三人の男達に関する人間描写は、最低限の要素に抑えこまれている。本来ならば、死へと突き進んでいく侍たちの抱える現状への想い、葛藤、決意が丁寧に描かれても良い。だが、それでは「私達の」映画にはならない。
目の前の資料作りに、顧客への挨拶回りに壮絶な想いやら決心をもって挑む人間なんてそうは、いない。ただ、無我夢中で課題をやり過ごす毎日があるだけだ。本作は、そんな一般庶民の立場、姿勢を戦国の集団抗争に置き換えて作り出される。
役所、伊勢谷、山田、市村と様々な立場にある人間達が登場する。だが、彼等には一つの共通点がある。それは「誰かのために、自分を捨てて尽くす」自己犠牲を余儀なくされる点だ。決してそれを否定するでもなく、肯定するでもなく、あるがままに使命に生きる人間達の躍動、眼の輝きを淡々と見つめる視線が、観客を大らかに受け止める包容力を生んでいる。
主役級の俳優を多数掻き集め、泥にまみれて血に溺れされる作り手の姿勢。それはそのまま、俳優さえも誰かの駒であり、私達と何ら変わりない庶民でしかないことを露骨に表しているのかもしれない。
ただ、毎日をがむしゃらに生きろ。2時間強の活劇は、雄弁にそう、私達に語りかけている。
娯楽大作!
面白かった!
延々と続く血みどろの殺陣は迫力がある。
赤穂浪士と七人の侍から設定を借りて
十三人:百数十人の戦いの場を作り出したような映画
だが、物足りない
藩主一人を消せばいいんだったら毒殺が一番簡単でしょ?
同じ藩の仲間を何百人も殺していいの?
爆弾や弓で、もう少し人数を減らしてから刀と槍の斬り合いに
するべきでは?
わざわざ村を借り切らなくても、細い山道の方が有利では?
などなど、話に必然性が無い事がどうしても気になる。
そして、ナイモノネダリなのかもしれないが、
松方弘樹と伊原剛志以外は武士らしくない。
伊原剛志は浪人が良く似合っていたが、居合抜きの場面
「剣鬼」で内田朝雄が見せてくれた息を飲むほど美しい居合術と
ついつい比べてしまった・・。
(内田朝雄の剣は、弧を描き煌めいた次の瞬間には
吸い寄せられるように鞘に納まっていた。)
「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」の伊勢谷友介は、
歌舞伎役者を思わせる色気で、ほれぼれしたのだが、
この映画では、コミカルな汚れ役でちょっと残念だった。
オリジナル版も是非見てみたい。
(鑑賞したのは、2010.9.26デシタ)
(オリジナル版見てからレビュー書こうと思ってたもので・・)
少しやりすぎ…?
メリハリの利いてる
大興奮傑作映画
稲垣吾郎が魅せてくれる
三池作品はそんなに観た事ないんだけど、前評判通り良かった
何しろ稲垣吾郎がスゴイ 狂気のある暴君役が見事にハマってる。
このキャスティングが全体の出来に大いに貢献してる感じ。
意外な事に、岸部一徳と伊勢谷友介がお笑い担当(?)だったのもウケた
最後の長ーい戦闘シーンは、ただ切り合うだけじゃなくて色々仕掛けもあって、観てて飽きなかった。
これがチャンバラ映画の面白さ
内容的には、江戸時代を舞台にしたバイオレンス映画。人間の手足も首もチョンチョンと飛び、映像的にも血みどろで泥まみれ。極めて野蛮。ただそこに、サムライの忠義だったり命を投げ出す美意識だったりが加わると、とても深いドラマに思えてくるから不思議。
一応、残忍な殿様が幕府の要職については世の中が乱れるので、それを防ぐためにその殿様を暗殺するという理由づけがあるのですが、どう見ても社会派ドラマではないし、結局は派手なチャンバラを見せるための、ストーリー上のお膳立てだと思います。
最近の時代劇は、現代人にもわかりやすいセリフ回しが多い気がしますが、この作品は、これぞ侍言葉という感じのセリフが多く感じました。女性の化粧も現代的ではなく、はっきり言ってあまり美しくないのですが、現代人に媚びない「時代劇」にしたかったのでしょう。私はいいと思いました。
役所広司は、どちらかというと物腰が柔らかで、刺客のリーダーとしてはどうかと思っていたのですが、その物腰の柔らかさがかえって武士らしい秘めたる決意を感じさせて、これはこれであり。
松方弘樹は殺陣が素晴らしくかっこよかったのですが、それ以外の場面での物腰、ちょっとべらんめえの入った口調、見事な武士っぷりでした。
伊勢谷友介の野人っぷりもなかなか。彼と岸部一徳が、このバイオレンス作品の中でちょっとだけコミカルな要素を加えていて、いい塩梅でした。
稲垣吾郎演じる殿様の残忍さは、映画公開前から話題になっていましたが、本当に思いっきりやってます。他人の痛みがわからず自己中心的な彼の哀れさが、最近の若者像と重なるような気がしましたが、作る側には、そういうメッセージを込めようという意図があったのでしょうか。
刺客が13人もいるので、何人か目立つ人はいるのですが、どうしてもその他大勢になってしまう人もいました。それはちょっと残念。連ドラならともかく、映画一作品で13人はちょっと多いのかも。
ともかくも、時代劇好きでもバイオレンス作品好きでもない私が、ああ、これがチャンバラ映画の面白さなんだな…、とわかったような気がした作品。
アクションエンタテインメントの傑作!
1日ずっと気分悪くなりました
乏しい表現力。この一言に尽きます。
一方で、人の死ぬシーンが加工された音(効果音?)も含め本当に気色い。これによって、時代物のリアルさと、観客の想像力をどんどん削いでいきます。
DEAD OR ALIVEのハチャメチャさが好きになった三池監督ですが、この映画は酷かった。
冒頭の切腹が、長い、刀が人を切るときの加工音も、ホラーの作り物ようで、テンションどんどん下げます。劇中出てくる娘のCGが極め付けです。残酷さとか、生々しさは、観客に想像させてほしいです。
ホラーシーンを除いたとして、どこの誰が、なぜすばらしい映画とか言っているのだろうか?
将軍の弟の暴君振りを表現する手段として、こういうストレートでチープなものでないと観客に伝わらないと思っているのかな?と、映画以外のこと色々考えさせられました。
お盆には帰ってこい
ロウソクの灯。灯というにはあまりにも薄暗い部屋。
それだけで江戸時代にタイムスリップ。
老中の重厚なセリフまわしで正統派時代劇かと思わせるが、
三池監督がまともな映画を創るはずもない。
両手両足を切断されなぐさみものにされた娘。
「田舎者の骨は硬いの~」と言って采女に何度も刀を振り下ろす残虐性。
絶倫小弥太が女に満足できず徳兵衛に乗っかるナンセンス。
新六郎「遅くてもお盆には帰ってくる」ジワ~ン。
最後に生き残った新六郎が刀を捨てようとするが、刀が手から離れない。
斬って斬って斬りまくって手が硬直してしまったのか。
でも、映像のしぐさはそうではなさそうだ。では何なのか。
武士を捨てようとしても捨てきれないことを、象徴しているのか。
分からない。
じゅうぶん名作
13人 対 200人
前半がいきさつで、後半が戦いの140分でした。
全シーン、クオリティが高い!
抑えた演技が多い役者さんたちの中で、
伊勢谷友介さん演じる血気さかんな(笑)山の男が出てきたあたりから、
急に話もいきいきとしてきた印象でした。
血が流れるシーンが多いので、苦手な方にはつらいかと思いますが。
時代劇が苦手。という方でも、楽しめる作品かと思います♪
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