ウルルの森の物語のレビュー・感想・評価
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二匹目の泥鰌狙い
多くの災害をもたらした新潟を中心とした北陸の大地震。
実話を基に日本テレビとホリプロが製作した『マリと子犬の物語』はヒット作となる。…となると、二匹目の泥鰌を探せとばかりに製作されたのがこれ。
家族を大切にすると言われる狼の生態。それを生かす為に船越英一郎と桜井幸子は離婚した元夫婦。だから2人の子供達との親子仲も父親とは険悪。これを助けた子犬ならぬ子狼を通して絆を取り戻す強引な流れ。
強力なジブリ作品のコンテンツを持つ日本テレビだけに、母親は手術が必要な位の心臓の病気を持つ設定で、どことなく『となりのトトロ』を。兄妹の関係は『火垂るの墓』を若干意識した様なところが見え見えな脚本。
だからサクマのドロップの代わりに登場するのが、お兄ちゃんの携帯を取り上げる代わりに出て来るおはじき。
まさか終盤にあんな形で再登場するとは思わなんだ。よくぞ持ち歩いていたもんだよなぁ〜(爆)
泣かせる小道具で笑わしてくれるとは…。
北海道の雄大な大自然は魅力的。
(2009年12月28日TOHOシネマズ錦糸町No.8スクリーン)
野生のものは野生に帰す。
やたらと「マリと子犬~」を前面に押し出した宣伝を
している映画だと思っていたが、スタッフとはいえ、
一部がかぶっている程度でそれほどの類似力はなし。
力はないが設定がよく似ていて^^;失笑してしまった。
もともと「マリと~」のお話もすべてがリアルではない。
マリが残されたことは事実だが、幼い兄妹などいない。
あれはマリという実在の犬をメインに据え、家族の話は
映画オリジナルとして付け加えた作品なのである。
感動できたのは、その演出力と犬の本能そのものを
余すことなく見せてくれたからでもあった。おそらく
感動できる動物物語にはそんな本能にきちんと着目し、
それを活かして作られた映画がほとんどだと思う。
今作にそれがないとは言わないが…
すでに絶滅したはずのエゾオオカミをメインにしたことで
(いない)動物をどう描くのか、そこから謎だらけの展開に
なってしまった。
「お前、本当にオオカミなのか?」ってこっちが聞きたい^^;
確かにウルルは可愛いが、どう見ても狼には見えない。
野生動物は野生に帰す。という
当たり前だが、大切なメッセージを伝えるシーンは多い。
子供にとっては酷なことだが、
ペットではない。ことをきちんと説明してやる必要性、
銃で脅したり、ビー玉を投げてぶつけるシーンなどには
確かに辛くなってしまうのだが。。
動物の気持ちは理解できても、自分の子供の気持ちは
微塵も理解できない獣医の父親をオーバーに^^;演じた
船越英一郎、傍からみればイヤな父親なんだろうが(爆)
こういう仕事では、かなりこういう人が多い気がする。
動物と子供と、どっちが大事なんだよ!?と聞けば
「比べるもんじゃない!」という答えが返ってきそうだ…。
ともあれ、
子供たちが疎遠な父親と動物に触れ、成長する話だ。
いい題材であるが、二番煎じはもうやめた方がいいかも。
(大滝秀治、いぶし銀の演技。彼こそ森の守り神か!?)
いい映画です
専門家による野生動物の絶滅危惧種の保護の立場もわかるが、主役の子供達の野生動物に対する愛情の方がはるかに上。かつて某日本一の動物園が専門家の立場で施設を作り、動物たちのノイローゼが多発したことが思い出された。本当の動物の幸せとは何かを改めて考えられさせられた。また子役も上手でした。動物に対する思いやり、役作り、どちらも子供の勝ちでした。
親子はもとより大人だけでも楽しめる映画です。
久々に良い映画でした。
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