「原作を知らなくても楽しめるが」嵐が丘(1939) 吹雪まんじゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
原作を知らなくても楽しめるが
原作はこんなもんじゃないんすよ。狂気が足りない。スケールが小さい。非常にポップな仕上がり。ラブロマンス映画を撮りたかったのなら、無理に「嵐が丘」を原作にしなくても良かったのでは。まぁ、楽しめたので許す。
嘘。許せない部分はある。本当に「嵐が丘」を撮りたかったのであれば、原作の後半をごっそり削いだのはいただけない。こっからってとこよ!?こっから愛と憎しみのドロドロの復讐劇よ!?まぁ、なんとなく嫌な予感はしましたよ?「104分…?収まるのかなぁ…。」うん、収まる訳が無い。これ程の超名作小説を原作に映画を撮るのなら、尺なんて気にしてる場合では無いのです。イワン・プィリエフ監督の「カラマーゾフの兄弟」(230分)を見習って欲しい。配給会社から何言われようと、原作主義で通して欲しかったです。
とはいえ、ラブロマンスとしては良い作品です。ヒースクリフとキャサリンの面倒くさい性格を軸に、すれ違いや感情の起伏を描き、ロマンチックなラストへ展開していきます。音楽も雰囲気たっぷりに盛り上げています。
余談ですが、主演の2人が撮影中険悪な関係だったことが作品にとってプラスになったというエピソードはある意味本編より面白い(笑)
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