誰がためのレビュー・感想・評価
全10件を表示
ミケルセン兄弟共演作品
主人公フラメンの相棒シトロン役にマッツ。彼らはデンマークの反ナチスのレジスタンス。国の為に活動している。フラメンは余裕な感じだけど、人を殺したことのなかったシトロンの、殺し屋と化していく様子がとても悩ましい。この辺りのマッツの演技が素晴らしいです。仲間が殺害され、誰を信用していいのかもわからない状況。ゲシュタポのトップのホフマンを狙うしかない。マッツ兄、ラースさんも後の方に出演されてました。メガネを取り、鏡を見つめる悩ましいマッツがカッコ良かった。
わかりやすくはないけど
初めて知った、第二次世界大戦中のナチスに対するデンマークにおけるレジスタンス運動。
何を、誰を信じればいいのかわかりにくかった時代。
自分の信じた道を突き進む以外に生きる方法のなかった時代。
わかりやすい映画じゃない。
だけど、見終わってしばらくしても、涙が出てくるような作品。
1944年、ナチス占領下のデンマーク。レジスタンス組織の一員として...
1944年、ナチス占領下のデンマーク。レジスタンス組織の一員として、国を裏切った者たちを暗殺する任務を遂行していたフラメンとシトロンだったが、ある任務をきっかけに、組織に内通者がいることを知る。疑心暗鬼に苛まれながらも、祖国のために戦い続ける2人は……。
☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 力作。デンマークの『イングロリ...
☆☆☆★★
※ 鑑賞直後のメモから
力作。デンマークの『イングロリアス・バスターズ』は観て損なし。
但し、事前に或る程度の予習は必要か?
以前に劇場にて、この作品のポスターを指差した外人さんが。「ベリー・ポピュラー・ストーリー」と、同行していた日本人の彼女に語っていたから。ナチス関連に於いては、かなり有名な話なんでしようね。原題は主人公にあたる2人の名前だけに。その名前だけで通用する、日本に於ける【忠臣蔵】的な位置付けで、誰でも知っている話なのでしよう。
映画の終盤で、追い込まれてから展開される銃撃戦は圧巻でした。
2009年 12月26日 シネマライズ down theater
人を殺すということ
戦時下という特殊な状況のもと、愛する母国のために立ち上がることまでは容易に想像できるのだが、私自身は果たして人を殺す事が出来るだろうか…
しばらく考えて、その技量?があるなら手を染めるかもしれないな、と結論を出した。フラメンとシトロンは人殺しではなく、ナチを殺したのだ。つまりはレジスタンス活動であり、彼らは正義であった。ならば、私も同じように正義であるならば、銃を手に取るかもしれないと考えたのだ。愛する母国を守り、愛する者を守るため。
だが、常に戦争には利権が絡む。利権が戦争を産むと考えてもいいくらいだ。フラメンとシトロンはその渦に巻き込まれ、彼らにとっては殺す必要のない人々をも殺害してしまっていた。正義が脆くも崩れ去る瞬間だ。
正義は崩れ、愛する者も失い、それでも彼らは自分の信じた道を戻ることは出来ない。
真実は人の数だけある。だからこそ、人は惑い、苦悩し生きていくのだろう。自分を失いそうなくらいの混乱した状況下で芯をぶらさないで自分の正義を貫けるだろうか。
そんなことを考えた映画だった。
誰を信じ、誰を疑い、誰を殺すのか
これから見るなら覚悟した方がいい。すっごく、重いから。
舞台はナチスドイツ占領下の1944年のデンマーク。
祖国のため、信ずる正義のためにレジスタンスとして戦うフラメンとシトロンが主人公。
彼らは、反攻作戦の本部イギリスから指示を受けてナチスに荷担するジャーナリストやドイツ軍人を暗殺していく……
第二次大戦でもドイツやアメリカ、日本が注目されることはあってもデンマークはなかなか見ない。
自国が蹂躙されることに絶望し、憤怒して終わりのない「戦争」に身を投じていった2人は様々な敵と戦うことになる。
主人公の2人はハッキリ言ってあまり賢くない。
人を見る目がないのだ。故に騙される。
それでも最後まで、迷いながらも自分の生き方を貫いたからこそ、決して可哀想には見えない。これは想像だが、2人はきっと幸せだっただろう。
人間は戦えなくなったら終わりなのだ。
信念と守るべきものを持って戦い、非業の死を遂げたからこそ2人は国の英雄になれた。
英雄は死をもって完成する。生きた英雄なんてものは存在してはならないから。
日本人の知らない戦いがこの映画にはある。是非、若い人に見てほしい。
戦争映画は平和と世界を知るうえで恰好の教材になるはずだから。
鑑賞劇場:テアトル梅田
力作なんだけど
ナチス・ドイツの占領下でのレジスタンスは、よく映画になる題材。だけれど、デンマークでの活動は初。フラメンと相棒のシトロンという名前さえ知らなかった。2人がゲシュタポやナチスの協力者を次々と暗殺していくところは、まるでコミックを映画化しているよう。いとも簡単に成功させていく。それが中盤からは、コミックとは1歩も2歩も距離をおき人が描かれていく。欲とか、愛憎とか、不信とか。そして、それに比例してスピーディーさが欠けていく。それは止む得ないことなんだろう。現実はコミックのように単純ではないから。
力作だし、主人公のルックスは魅力的だし、オランダのレジスタンス活動についても興味深かった。けれど、個人的にはレジスタンスの映画を何本もみているので、中盤からの展開に新しさが感じられなかった。実話だから新しさウンヌンをいってはいけないだろう。そうだろうが既視感を覚えた。
『カティンの森』より、先に観るべきだったな・・・
2008年度
デンマークアカデミー賞5部門受賞
デンマーク国内最多動員数を記録
そんな宣伝文句に魅かれ行ってきました。
事前に知っていたのは、
ナチス・ドイツ占領時に
デンマーク国内でレジスタンス活動をした
実話に基づく2人の話。それだけ仕入れた上で上映開始を待ちました。
☆彡 ☆彡
観る順番が逆だったな
その分、衝撃は薄れちゃったな・・・
『カティンの森』1940年が舞台。
今作も、ナチス・ドイツ占領時ですから、時代が近く1944年。
『カティンの森』も実話に基づく作品のため、
どうしても比べてしまうんです。あの衝撃度と比較すると・・・。
◇ ◇
順番を忘れて
作品単体で観るようにしましょう。
実話ベースですし、
この史実は知りませんでしたので、衝撃作には違いありません。
殺害、暴力は肯定できませんが、
そうしなければ生きていけなかった、
その苦しみが、スクリーンから痛いほど伝わってきます。
“なんのため”
作中に、このセリフがよく出てきます。
“祖国万歳”
愛するデンマークのために、命をかけて戦い続けるのです。
◇ ◇
実は、この作品、
一筋縄ではいかないストーリーになっており、
ぶっちゃけ予告編も、わざとでしょうが正確な予告になっていません。
だから、これ以上書くと、
速攻で、ネタバレになってしまいます。
これから、ご鑑賞になる人に、
ひとつお伝えをするなら、登場してくる
人物たちの顔を、よく覚えておくようにしてください。
そうしないと、
終盤、なにがなんだか、
全然、わからなくなります。
☆彡 ☆彡
エンドロールが流れ始める前に、
主要登場人物の、その後が明かされます。
リーフレットを見ると
“デンマークでタブー視されていた史実”とありますが、
デンマーク国内で、大ヒットしたところをみると、国内の英雄であり、
そして、これを取り上げた映画作品は、今作が初めてだったということなのでしょう。
全国にて順次公開も決定しています。
もし2本鑑賞されるのであれば、
今作を鑑賞したあとに『カティンの森』をご鑑賞下さい。
残酷で、衝撃の136分。
また、ここに新たな史実が刻み込まれました。
全10件を表示