「脚本の出来とセンスの良さに脱帽」(500)日のサマー めぐ吉さんの映画レビュー(感想・評価)
脚本の出来とセンスの良さに脱帽
サイコ―!
この脚本、すごい! 頭良すぎます。
「(500)日」というのは、グリーティング会社につとめるトムが、
自由奔放で魅力的なサマーと出会ってから過ごした日数。
500日…「約1年半か」と思うと、短いような長いような、“付き合う”期間としては絶妙な時間です。
その500日の出来事が、トムの頭の中のビデオが再生されるごとく、
ランダムにシャッッフルされて繰り広げられていきます。
一見、何の脈絡もないような出来事が、何かのきっかけでふと思い出されるってありますよね。
そんな感じです。
こうゆう、人間の脳のナチュラルな(でも曖昧な)動きを、
脚本にしていくってすごいのではないでしょうか?
どうゆう順で撮影したのわかりませんが、演じる俳優たちも大変だったと思います。
監督のマーク・ウェブはミュージックビデオ出身ということなので、
逆に短いスパンで構成し、再構築していくようなやり方が得意なのかも…とちょっと思ったり。
そして、ミュージックビデオ出身なので、音楽の使い方もものすごーく上手いです。
トムとサマーが出会うきっかけがスミスだったり。
でも、この映画を何より魅力的にしているのは、サマー役のゾーイ・デシャネルの可愛さ!!
決して派手ではないのにちょっとクセのある可愛さは、(ややマニアックな)音楽好きにはたまらないはず。
この映画では、ヘアスタイルもファッションも、あえて“ダサかわ”な60'sでいってますが、
「イエスマン」ではもっととんがった60'sファションを披露して、very cuteでした。
ちょっと、若い頃のトレイシー・ウルマンを思い出すのはワタシだけでしょうか??
でもこのサマー、恐らく「本当のサマー」ではなく、「トムから見た(理想の)サマー」として演じているはず。
個性的なようでいつつ、実はトムの妄想に従って、“本当の個性”を消している演技はあっぱれでした。