「音楽映画のタブー」BECK オレさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽映画のタブー
平凡な高校生活を送り、人生を達観して過ごしていた少年コユキ。
彼が1匹の犬と1人の男との出会いにより、ロックバンド「BECK」を結成し、多くの仲間やライバルを得ながら、成長する姿を洋楽レジェンドバンドの曲とともに描く青春音楽ムービー。
原作内で1番面白かったであろうグレイトフルサウンドなるフェスに出演するまでを描いた今作。
佐藤健をはじめとした今や単独で主役を張れるクラスの俳優5人をメインに、バンドの結成から絶頂までを描く。
現役のライブハウスが出てきたり、マキシマムザホルモンがチラ見えしたり、カンニング竹山演じる斉藤さんの見た目とギターの高さがどうみてもサンボ山口だったりとロック好きにはたまらない小ネタが盛りだくさん。
OPレッチリ、EDをオアシスで締めるコテコテの洋楽テイストにRage Against the MachineのGuerrilla Radioをアレンジした楽曲なども披露する洋楽ファンもニヤニヤできるなど、サントラ的音楽要素に関して言えば結構良いとこ突いてくるのだが、肝心の演技的音楽要素で前代未聞のタブーを犯す笑。
ただその点に関して決して佐藤健は悪くはないと思う。
原作のコユキのように歌い出しの一声で観客全員が息を飲むなんてのはおそらく現状どのアーティストでもできないだろう笑。
むしろ佐藤健の歌うときの姿勢がリアムギャラガーだったり、曲名がルッキンバックだったりと小ネタ突っ込んできたあたりニヤニヤできて良かったと思うし、それをカバーして余りあるくらいに桐谷健太の千葉の再現度とライブパフォーマンスは圧巻だった。
若干RIZEっぽくなったGuerrilla Radioアレンジ改めエボリューションでなかなかの迫力だったと思う。
まあでもコユキの歌唱シーンが若干アホらしく見えたのは事実だし、2時間半の長尺はさすがに飽きるし、要所要所の外国人キャストのミスマッチ感もあってまあまあな印象に笑。
とりあえず今作のおかげでRage Against the Machineの存在を知れたからそのことは大きい笑。
あと忽那汐里めっちゃ可愛くて好き。