「映画史上最悪の婆さん VS 超気の強い女」スペル(2009) あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
映画史上最悪の婆さん VS 超気の強い女
2009年アメリカ映画。99分。「イングロリアス・バスターズ」を観たい気持ちを抑えて、そのタランティーノが絶賛した本作を最終の回で観てきました(吉祥寺の映画館内は7人だけ)。監督はサム・ライミ。「スパイダーマン」で超メジャーになりましたが、もともとはこの手のB級ホラーが十八番の監督さんでございます。
内容は、野心家の若き女性銀行員が、住宅ローンの未払いで家を差し押さえられる寸前の婆さまから延長の願いをされます。しかし、彼女は出世のために非情の却下を通告します(ここまでの流れがこの映画を奥深く味わうための最大のミソ)。怒った婆さまは彼女に呪いをかけるという按配でございます。
描写はベタの連続。
だから安心する。
なのに怖い。
これが絶妙にブレンドされたおかげで怖くて笑っちゃう。観客を突き放すことをせず、それでいて馴れ合いにならないから、こっちは安心しているのに甘えさせてくれない。ひたすらエンターティメントな怖さがこれでもかと浴びせかけられます。
こういう気概に満ちた映画すごく好きだし、最高にカッコイイ。ライミ監督は男の中の男です。
「どんでん返し」のエンディングは予想通りでした(最初の30分で予測できた)。でも、あのエンディングを観て、思わずにんまりしてしまいました。この映画は、どれだけベタと言われようとも、あの終わり方じゃなきゃ駄目なのです。それはこういったご時世だからこそのエンディングなのです。いろいろな事が絡み合って最後の最後にやはり笑ってしまう映画です。
それにしても悪霊にガチンコ勝負する銀行員の女はかっこよかった~。ほれぼれとしました。
今年のベスト5入り決定。
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