「ありえないが、ゲームは深い。」ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
ありえないが、ゲームは深い。
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主人公のお人よしの正直者の戸田恵梨香と、天才詐欺師秋山。
謎のライヤー・ゲーム最終章に挑戦する。
リンゴが金・銀・赤とあり各自1つに投票、基本は金と銀で多い方が勝ち。
勝てば1億もらえ、負ければ取られる。これを13ゲームする。
なお全員が赤に入れれば全員が1億もらえるが、
裏切者がいたりして1人でも赤以外に入れたら赤は-1億。
さらに赤が一人だけだった場合は-10億。
こういうルールの中、全員が得をするのは全員赤を入れること。
恵梨香はみんなに赤を入れるよう呼びかける。
が、ふたを開けてみればみんなが裏切り、恵梨香たちは負け。
つまり、裏切り者の可能性がある以上、赤に入れるのは危険。
こうした中、天才秋山を中心にそれぞれが知恵を絞って戦って行く。
まさに心理戦だが、それによりもう少しで赤が全部そろいそうになる。
しかし裏切り者Xの存在により、やはりそろわない。
ここからの心理戦で、恵梨香と秋山はXを絞り込み、逆にハメる。
この時点でXが-2億、恵梨香が0、他は全員プラス。
恵梨香は自分一人1億負けでいいから、Xに+2億勝たせて0にしようとする。
そのためには全員利益が1億減ってしまうが、みんなそれで納得する。
これにてX以外全員が赤に投票、後はXが金に投票すればよかった。
が、Xは自分が通産1億損して、他全員が1億儲かるように赤を投票。
結局ライヤー・ゲームとは昔から赤がそろったことは一度もなく、
赤がそろうまで金持ち達によって続けて来られた賭けだったと判明。
結局恵梨香は秋山が好きで、これからも一緒にいるっぽい感じで完了。
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いやしかし、単純なように見えて深いこのゲーム。
かなり楽しませてもらった。2回見ないとよくわからんかったけど。
でも現実世界ではそんな手通用せんやろ、ってのも多かったし、
そこ、今ならXを-10億にさせられるやんってツッコめるシーンも。
恵梨香が全員の分の赤を代理で入れたシーン。
実は1つ前のゲームでXがりんごを2個入れていて、
1つ目はそのゲームで有効、2つ目の金は次のゲームで有効。
これにより、Xのみ金でそれ以外全員赤でXの1人勝ちに。
でもこの状態って、Xだけ赤を投票してるってこと。
ならば次のゲームをまた恵梨香がまとめて全員分金で投票すれば良い。
これでXは-10億、さらにXだけ金の状態なんで次は全員分銀・・
ってやれば延々Xの1人負けが続き、自ら白状するはず。
なのにこのシーン、「アホらし。そろわんやん」みたいな感じで、
みんなが恵梨香から自分の分の焼印を取り上げて終了する。
もしXが本当に頭が良かったら、まずこんな手は使わないはず。
もし使ったとしたら、最初に焼印を取り上げた奴がX。
でもこの映画ではそのどちらでもない、やや強引なシーンだった。
あと、メンバー達がみんな騙し合いの好きな連中だったけど、
もしこれが全員恵梨香のような一般人だった場合はどうか?
多分誰も裏切らず、普通に赤が13回そろって終わりだろう。
そういう意味では脚本を書く方の苦労も感じる。
あとこの映画、個人的には好みだったので、
上記のような幾つかの穴と、恵梨香の嘘臭さがなければ☆5だった。
おそらく地球上に恵梨香のような人間はいないと思う。
最後まで人を信じようとする姿勢はいいし、この程度な奴ならいる。
でもXの正体が明らかになった後、何故Xを助けようとする?
それはまあいい。普通は全員赤を入れようとしないか?
最終ゲーム前で恵梨香は0、Xが-2億で、
1.全員1億得。最終的に恵梨香は+1億、Xは-1億
2.X以外全員1億損。最終的に恵梨香は-1億、Xは0
結局誰か1人が負けになるのが確定してて、
それが恵梨香かXかってことやろ?結局。
じゃあそれを自分がかぶろうってのが恵梨香で、
そんな奴おらんと思うけど、おったとしてもまだええわいな。
でも他の奴らが全員1億損するねんで?自己満足もええ加減にしろ。
そして当然そんなことではまた裏切り者が出るのが普通やろ。
駆け引きが最高だっただけに、こんな偽善映画ではなくて、
駆け引きの末に悪を倒すという構成にしたらもっと良かったと思う。