幸せはシャンソニア劇場からのレビュー・感想・評価
全17件を表示
残念な大人ばかり・・
時代は1936年(第二次大戦の3年前)、舞台はパリの下町(あえてぼかしている)にあるミュージック・ホールで働く仲間の挫折とホール再建の物語である。クリストフ監督は思いがけないヒットとなった前作「コーラス」で気をよくしたのか教師(ジェラール・ジュニョ)と幼い教え子(マクサンス・ペラン)を演じた二人を親子に設定して再登場させている。マクサンス演じる息子ジョジョはミュゼット隆盛期のパリらしくアコーディオンの路上演奏で陰ながら失業中の父を支えます。いろいろあって裂かれる親子の別れと再会が胸を打ちますがジョジョはあのバカ親父にはもったいない。失意の底でも支えてくれる近隣のお馴染みさんたち、若者の恋愛、仲間の死、悪徳不動産王への復讐などいろいろ盛りだくさん、笑えないコント芸や舞台を逸脱した総出演のミュージカルシーンは嘘っぽくてがっかりでしたがホール再建の立役者、歌姫ドゥース(ノラ・アルネゼデール)の唄うLoin de Paname(パリを離れて、Panameはパリの俗称)は心地よく耳に残りました。ドゥースに想いを寄せる照明係のミルー(クロヴィス・コルニアック)は女性関係もだらしなくて、フランス人民戦線の時代を象徴するかのような過激なコミュニスト、問題のこじらせ役ですので無垢なドゥースには余りにも不釣り合い、二人のラブシーンは苦痛でしかありません、素直に感情移入できる人物はジョジョのほかにはごくわずか、不況にあえぐ苦難の時代とはいえ大人たちのカッコ悪さばかりが目立ってしまう残念な仕上がりでした。中途半端なミステリー仕立ても不要でしょう。
大衆芸能的
そもそも大衆芸能は人々の暮らしに根付いていて、だからこそ庶民の悲哀を歌にしてきたのでは?そんな事を想像してしまいました。今の時代娯楽が細分化したこともあるけれど、テレビ観てもつまらないとか、国民的なスターがいないのは、庶民とはかけ離れたところに芸能が行ってしまったからなのかな?
海へ行こうみんなで
面白かった。非常に綺麗にまとまっている良作!ただ個人的にこの手の映画は大団円であって欲しかったのでこの評価。クライマックスのミュージカルシーンは心躍る。この一座に沢山の幸せが降り注ぎますよう。
地元はいいよね
その人にしかわからない良い所ってのがある。もちろん愛着もある。
久しぶりにミュージカル色のある映画を見ました。なんだかんだ楽しめましたね。女の子可愛かったです。歌も良かったし。最初に歌われたパリ〜パリ〜が個人的に一番好き。
回想形式による縛りが辛い
話の展開を回想形式にしてしまった為に、かなり歪な映画になってしまっている。
ある男の告白によって明らかになる物語。
その為に有り得ない映像が多々起こり、戸惑う事になる。
しかし、冒頭の『巴里の屋根の下』を彷彿とさせる映像や、劇場内に於けるレビューシーン等のノスタルジックな雰囲気の仕掛けに騙されてしまう事で、強引に成立させている。
それでも中盤以降は、1人1人のキャラクターに、そして歌の魅力にしばしば時間を忘れさせる。
回想形式はやっかいだ。劇的な効果を齎す反面で、どうしても“縛り”が生じてしまう。
この作品の様に、最後に“ある事実”を効果的にする為に仕掛けられたのであれば、映画自体が特に時系列等を崩す訳でも無く。また映画の途中で観客に対してミスリードを引き出している訳でも無いので、特に回想形式にする事で得られる効果は余り無かったのでは?と思ってしまう。
寧ろ自らの“縛り”によって生じた綻びの方が目立ってしまっている様な…。
“縛り”が取れて、全てが明らかになった最後の大団円が素晴らしかっただけに、勿体無く感じてしまった。
出演者全員によるカーテンコールが無いのも残念でした。
(2009年10月5日シネスイッチ銀座2)
* 入れ子状の演出、タメの美学、通底するやさしさ
そもそも映画館という劇場でかかる映画のテーマが劇場ということ自体、入れ子になってます。カーテンが2重の意味になりますね。こういうところに面白さを感じてしまう。作品も大枠、ある種の悲劇的な枠がまず提示され、その中で劇場にまつわる登場人物の人生が展開されます。
見終わった後にはこの映画、ミュージカル映画という印象を持つのですが、見直すとそれほどミュージカルシーンは多くない。色んなことがあって、ためてためて、一気に花開くミュージカルシーンなので、すごく印象に残るのでしょう。
決して、ハッピーハッピーな映画ではないです。時代的にも国粋主義、労働運動なんかも絡んできますし、ヒールも登場しますし、主役は経済的な状況から子どもとことも会うことができません(ただ、これが、またタメとなって、あるシーンがすごく感動的になりますが)。でも、全体的にすごくやさしく、あたたかい雰囲気を感じます。
タメにタメたのちのミュージカルシーンに入る直前のリトルジョジョのシーンは毎回泣けます。その後、怒濤のミュージカルシーン。ミュージカルはこうでなくちゃという感じの良い出来です。いくつかのナンバーが展開するのですが、どれも名曲。そして「海へ」。すごく楽しいです。劇場という枠をはずした演出。これもいい感じにはまってます。そして、その演出が、オマージュというよりもはやパロディかと思うくらいのベタなアメリカミュージカル映画の演出です(皮肉としてではなく、なんか、ほほえましい感じ)。エンディングは、再び劇場に戻ってきますが、先のオマジュ全開で、わくわくします。
う〜ん。もうヒト頑張りしてくれたら、星⑤も〜
〜星⑤も行けたのでわ???
舞台もの?音楽ものだと?
どうしても、オーケストラや恋におちたシェイクスピアと比べてしまう。
ハリウッドものに一長有り。
欧米ものには一短の瑕疵。
惜しい。惜しかった・・。
素敵な映画だけに、もう一息欲しかった(つД`)ノ
星評価はGyao無料視聴水準にて。
・・惜しかったなぁ( ̄(工) ̄)
良い作品だと思います
期待も予備知識も持たずに観たけど
人の世の喜怒哀楽や愛憎をよく2時間の中に詰め込んだものだ。
ニューシネマ・パラダイスが好きな方には
きっとこの作品も気に入ると思います。
そんなテイストを感じるこの映画は意外な名作です。
オススメします。
よかった…けど!
音楽もミュージカルのシーンもすごく楽しくて、おもしろかった!
だけど、少し期待はずれなところも…あそこで死ぬ必要はあったのかなぁ?とか息子あっさり戻りすぎじゃない?とか…
自分的には引きこもりのラジオおじさんが好きです♪
すごくカッコよかった!!
もっと音楽とかミュージカルジーン見たかった!!!!
似てない親子。
名画座にて。
なんだか舌を噛みそうな邦題^^;
「新春シャンソンショー」と並んで早口言葉みたい。
劇場を舞台にしているミュージカルっぽい活劇?ではあるが、
様々な要素がテンコ盛りに連なって大作ドラマ並の転がし方。
息子を取り戻すために劇場を再開させようと奮闘する元・裏方
ピゴワルを演じるJ・ジュニョが巧いので最後まで飽きないが
新人歌姫役N・アルネゼデールなどキャストたちの舞台演技を
もっと観たかった気がする。アコーディオンで日銭を稼ぐ健気な
息子ジョジョ役M・ペランが父譲りの美形で可愛すぎるせいか、
どう見てもピゴワルの息子だとは思えないところなんてご愛嬌v
第二次大戦前夜のパリを舞台にしているので、歴史的背景を
把握していれば、さらに入り込める話になるのだろう。
いつの時代にも、こんな風に下町で頑張っている役者勢がいて、
不遇な時代でも、ささやかな楽しみを享受したがる大衆がいる。
それを大切に思う気持ちを演劇人は忘れてはいけないはずだ。
ビジネスとしては全く成り立たない経営を続けてやがて閉館、
不況にあえぐ劇場の実態は昨今の現代に受け継がれている…
哀しいかな、好きなだけではオマンマは食えないんだもんね。
しかしそんな時代だからこそ、今よりもっと劇場演目そのものが
輝いていたような気がするのだ。古臭いお決まりなドラマの中に
そんな時代の空気を感じてほしいと思いつつ作られた感がある。
あまり…役者勢もフランス?的な感じがしなかったうえ(私には)
ミルー役C・コルニアックの声が若き日のM・ブランドの声&喋り
にソックリで(!)もうそう思ってしまったら、最後までずーっとそう
聞こえてしまって仕方なかった(爆)カッコ良かったし、いいのだが。
「巴里の屋根の下」(1930)を髣髴とさせる導入部、
ルネ・クレールファンを喜ばせる作りになっていて良かったと思う。
(親の欲目とはいうけど、子供には好きな事させた方がいいのよ)
パリの下町のミュージック・ホール讃歌!
タイトルがよくないが、なかなかよかった。フランス映画を劇場で観るのは「エディット・ピアフ 愛の讃歌」以来。だが、監督の前作「コーラス」はたまたまDVDで観ていた。フランスの俳優はよく知らないが、父親役や息子役が前作に出ている人でちょっぴりうれしかった。出てくる登場人物は等身大で生き生きとしていた。何よりもミュージック・ホールを愛している姿が微笑ましかった。アメリカ映画と違って苦さも感じられるが、観終わってほっとするそんな映画だ。
久々に好きなタイプの映画
親子の愛=幸せ、男女の愛=幸せ、友情=幸せ...。
辛いことも愛が幸せに導いてくれる。愛があるから頑張れる。(愛って言葉もちょっと安っぽい感じだけど)
ちょっと笑えて、ちょっと泣けて、音楽が良くて、最後にはじんわりと幸せな気分になれる映画。こんな映画大好き♪
ヒロインのノラ・アルネゼデールは歌上手いうえにめちゃくちゃ美しい!
フランスの女優は美しい人たくさん思い浮かぶけど、男優ってパッとしないな〜と思うんだけど...?
この映画は土曜日に観に行ったんだけど、観客が私を入れてたった4人。良い映画なのに、残念だな〜。
幸せな気持ちになれる。ザ・フランス映画。
ちゃんと観客を引き込む力を持つ映画らしい映画に出会えたことが嬉しい。ストーリー、映像、音楽など全て、昔どこかで見たような懐かしさに溢れ、意外な展開もある。とりわけ音楽が素晴らしい。大袈裟なお涙頂戴の演出はなく、出演者全員の全身全霊の演技で自然に心が揺さぶられた。特に、離れ離れの父と息子が再会し共に歌うシーンでは涙がこみ上げてきた。ラストも粋。
期待通りのレトロなパリ物語
少々、疲れ気味のからだに、心身ともにリフレッシュしたい。
そんなとき、ハッピー気分が味わえるであろうと
この映画を見に行きました。
まさしく、期待通りでした。
ストーリーもさほど複雑ではなく、でも、単純でもない。
役者たちも、さらっとしているようで、それぞれが立っている。
アコーディオンの音と、物語性の強いシャンソンという歌など、
その映像も、音楽も、古き(良き?)パリを、メルヘンチックに
レトロな世界を描かれていました。
そんななか、掘り出し物はノラという新人女優でした。
歌もうまいとはいえないけれど、心地いい。
ちょっとしてことで、大きく変化するそのまなざし。
生まれたてのたまごのような新鮮さがありました。
ということで、
疲れ気味の僕はすっかり癒されたのでした。
見てきました!
ジャパンプレミアで一足先に見てきました。
流石!秀逸な作品です。
ストーリー自体はベターなカンジもしなくはないですが、どんでん返しや意表を狙った作品ではないので、ソレはソレでいいと思います。
全体的にメルヘンなテイストが漂っており、見ると幸せな気分になる、
砂糖菓子のような作品。
世界恐慌などの不幸でも、嫌なことが起こっても・・・最後にはみんな夢を持って、暖かいヒトに囲まれて、生きてゆく。
音楽(シャンソン)もオシャレで、ミニシアターそのもの。
ヒトにオススメしやすい作品です。
全17件を表示