「や、やってません!」ゴールデンスランバー(2010) ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
や、やってません!
伊坂幸太郎原作の映画化→中村義洋監督。という図式が
完全化したわけではないのだろうが^^;この二人は好きだ。
一緒に鑑賞した友人は詰めの甘さが気になったようだが、
確かに伊坂作品は、仙台という地域を舞台にミステリーや
サスペンスを絡めていてもそれ一辺倒で成り立っていないし、
エ?と思うような曖昧なラストや^^;いいのか?と思う犯罪癖、
そして所々で挿入される笑いの数々。今回は洋楽…という
幾らビートルズのナンバーとはいえ、出演者たちがサラリと
フルで歌ってしまうところなど^^;ありえねーぞ!がいっぱい。
(確かB・ディランの時も歌ってましたけどねぇ)
私的に今作のテーマは「お前、やったのか?」かな^^;
いわゆる二重の意味(爆)まぁ殆どそっち系で使われるが…
実際にこんな事件に巻き込まれようものならもっと恐怖感が
先行しそうなものだが、今作にはそういう緊迫感がない。
細かいところを突っ込めばキリがない展開描写を出来るだけ
原作に忠実に映像化したら、こうなっちゃいました。みたいな
中村義洋の演出法が好きな人ならば今作もきっとハマれる。
なにしろいちばんワケが分からないのが本人で(爆)
最後までやっぱりワケが分からないまま流れゆくのも本人。
こんな目には絶対合いたくないが(合おうにも多分ないが)
しかしオズワルド…も、やはりこんな陰謀を施されたのか。
考えても結局日の目を見ない証拠の数々が、「抹殺」という
巨大権力によって青年の運命を狂わせていくのが恐ろしい。
仙台で根づき息づいた友情は、彼らがどこへ、どんな運命に
陥っていこうとも変わることなく続いていた。という、
根底に流れるのはアットホームで温かい人情ドラマであり、
おそらく言いたかったのはこれなんだろうな、と思わせる。
でもそれを言うがために、こんな大規模な展開にしてしまう
ところが伊坂幸太郎はすごい^^;地方で治まる話じゃないし。
暗殺事件で黄金のまどろみを満喫している場合じゃないし。
カローラのCMソング、懐かしい。でも走らないでしょ?普通。
あの年代にパソコンで花火は打ち上げていないと思うしなぁ。
色々あって…いちいち面白い。
私はちなみにチョコの大きい方を貰ったら、素直に喜びます。
その小さくて細かい思いやりの深さ、堺雅人に似合ってます。
(冒頭シーンをもう一度観たくなる!たいへんよくできました◎)