「男子(ザック・スナイダー)の妄想詰め込み映画」エンジェル ウォーズ ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
男子(ザック・スナイダー)の妄想詰め込み映画
といったところでしょうか。
ザック・スナイダー監督の美女アクションバトル映画、というかザック・スナイダーの妄想をそのまんま映像化したらこんな感じになっちゃいました映画。
実母の死を切っ掛けに、母の遺産相続を目論む継父に狙われた姉妹。妹は無残に殺され、その殺人のかどで逮捕ではなく精神病院に入れられてしまう。夢と現を行き来しつつ、病棟からの脱出を目論む姉は病院の進める演劇を取り入れたセラピーを見学する。
ここから、いきなりガラッと舞台が精神病院から売春小屋に変わる。セラピーを担当していた女性医師はダンスの振付師に、姉の担当医は売春小屋の支配人に。
その演劇の中の話なのか、それとも現実なのか、夢と現を行き来する世界の中で、ベイビードールと名付けられた姉は振付師にダンスをするよう強要され、仕方なく曲に合わせて動き始めた刹那、異世界に迷い込み、そこで売春小屋脱出のための5つの鍵について情報を得る。
まあ、ストーリーはもう二の次的な感じで、そのベイビードールが入り込む幻想世界の中のバトル映像を愛でるのが正しい作法。5つのカギをそれぞれ得るためには、その持ち主をベイビードールのダンスで魅了して夢中なうちに奪っちゃうってのがベイビードールが考えた作戦。
で、曲が流れてダンスが始まるのかなーと思いきや、なんだか謎の世界観の戦場に放り込まれてミッションを言い渡される。で、そのミッションには毎度毎度激しいバトルが繰り広げられる。最初はベイビードール一人だったけど、彼女の作戦に乗ることになった4人の仲間もバトルに加わることになる。
で、彼女たちのバトルの時の衣装ですよ。ベイビードールは基本極短のセーラー服みたいなのでスカートひらひらさせつつバトル、あとの女子も胸強調、お尻強調のボンデージ風だったり、まあエロいエロい。そんなエロコスプレ女子がバッタバッタと敵をなぎ倒していくわけです。もう男子の妄想そのまんまの展開よね。そういう漫画結構ありそうよね。
ザックさん、結構漫画好きよね、きっと。
また、ガラッと変わった舞台がそもそも売春宿なので、まあ色々と卑猥なわけです。彼女たちのいでだちも、そんな彼女たちを取り巻く環境も。さりとて生牌とか生尻とかを出してくるわけではない。あくまでエロいコスプレにこだわってそのアクションの一つ一つの動きで魅せていく手法にしている感じのチラリズムなわけです。
なので、多分観る人を思いっきり選ぶ映画。万人が面白いて思うタイプの映画ではないと思う。でも、私は結構ザック・スナイダーの映画好きなんですよ。300も好きだしウォッチメンも大好物。最近はDC御用達になってすっかり牙が抜けちゃった感があるけど、結構独特なちょっと暗めのザラつき感のある映像とか、アクションの時の見せ方の拘り、特に流すところとスローモーションの使い分けとか、映像が凄く好み。
300の時は、スローモーションを駆使してマッチョ達が敵をガンガンしばいていくところを見せ所にしてたけど、今回の場合は、そのスローモーションで女子の体の動きのしなやかさとかを上手く見せてて、なので良い意味でエロい映像てんこ盛りになっている感じです。
ザック・スナイダー印が好きな方にはお勧め、300はちょっとデフォルメされててなーとかその辺りが気になる方は思いっきり回避した方が賢明かと。