劇場公開日 2009年3月7日

「積んできた幸せ。」つみきのいえ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5積んできた幸せ。

2009年3月26日
鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

幸せ

まずはアカデミー賞短編アニメ賞受賞、おめでとうございます。
すごい!やりましたねぇ。
物語をぜんぜん知らなかった私は、受賞時のTV映像が初めてで、
あ~、これはあの「岸辺のふたり」によく似ているな~と思った。
今作を素晴らしいと感じた方は、是非観てほしい作品。
たった8分間で、こんな感動が作れるのか!?と思うほどの
完成度の高さ、2001年アカデミー賞を受賞した短編アニメの名作。

あちらは父と娘の長きにわたる物語だったが、
今作はおじいさんとおばあさんの想い出を綴る物語になっている。
温暖化で水面が上昇する町で、水没していく我が家を積み増し、
上へ上へと引っ越しを続けてきたおじいさんがある日、
大切なパイプを階下へ落してしまう。
意を決して潜ったおじいさんの目に飛び込んできた風景は…。

懐かしさと切なさが入り混じった物語が、ゆったりと感動を誘う。
誰しもが経験するであろう人生の喜哀を優しいタッチで描いている。
人生は上へ上へとつみきのように重なっていくが(歳もね^^;)
かけがえのないものは、その下へ下へ土台となって連なっていく。
ふと見つめ直した幸せに、孤独以上の感謝を捧げたくなる作品。

惜しむらくは…長澤まさみのナレーション。
彼女のまったりとした声と語りはこの作品を崩してはいないが、
本来の短編に語りは必要ない。映像そのものが物語なのだ。
補足するなら…子供の質問に両親が答えてあげるのがいちばん。

(大好きな人と添い遂げる幸せ。この先幾人が味わえるんだろう)

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ハチコ