「失われた戦場の記憶」戦場でワルツを レントさんの映画レビュー(感想・評価)
失われた戦場の記憶
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本作を鑑賞前に、ラストが衝撃的などと聞いていたためか少々先入観を持っての鑑賞となってしまった。
主人公が従軍した頃の記憶がすっぽりと抜け落ちてしまっていて、その失われた記憶をたどる物語。
途中、カメラを通して戦場をリアルに感じられなかったカメラマンがカメラを失い、現実を直視してショックを受けたという話が伏線として挟まれており、てっきり主人公が虐殺に直接関わっていたというオチだと想像してしまった。
自身が犯した虐殺行為を直視できずに自己防衛からその記憶を心の奥底へと沈めてしまったのかと。
実際は知らずに虐殺に関わった部分があったのは事実だが、誰も彼を責められるようなものではないだろう。
ラストはアニメーションから実写に切り替わり、惨たらしい虐殺の事実をまざまざと見せつけられる。これはこれで確かに衝撃的だ。しかし、変な先入観を持ったがために本来本作の持つ作品としての価値を読み取れずじまいだった。
アニメーションは作家性が強いセンスの良いものだった。この監督の別の作品も観てみたい。
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