「悪魔の少女の正体は…❓」エスター bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔の少女の正体は…❓
本作の前日譚が描かれた『エスター ファースト・キル』が先日公開され、王様のブランチでも紹介されていた。「14年前に公開された前作を観てから、新しい作品を観た方がよい」とリリコが言っていたので、改めて鑑賞。
最初、『キャリー』のようなホラー作品かと思っていたが、いやいやそんな超常現象的なモノを頼る内容ではなく、よく練られ、ラストにその意外な秘密が明かされていく、上質なサスペンス・ミステリーとして描かれている。ヒタヒタと、主人公の家族に迫る恐怖と人間の中に潜む猟奇的なエゴを見事に描いた作品だ。
3人目の赤ちゃんを死産で失ったケイトとジョンの夫婦は、その悲しみから抜け出すために、孤児院から女児・エスターを養子に向かえた。当初は、礼儀正しくて家族とも馴染んだエスターと、幸せな暮らしをしていたが、次第に、エスターの不気味で、理性を欠いた言動に、ケイトは苛立ちを募らせ始める。しかし、ジョンはケイトの心配をよそに、エスターを礫愛し、ケイトとの間に溝が生まれ始める。
ケイトはエスターの本当の正体を突き止めようとして、孤児院時代のシスターに協力を求めるが、エスターによってシスターは殺されてしまう。そして、エスターの魔の手は、夫と2人義兄妹までにも伸びてくる中で、魔性の少女・エスターの真の姿が明らかになっていく。そのあまりにも驚愕な正体にこそ、この作品の怖さが凝縮されている。
主演のケイトには、『死霊館』や『ゴジラ キング・オブ・モンスター』にも出演してるヴィラ・ファーミガが、子供を必死で守る母親を演じている。そして、エスター役には、小さい時から子役で映画出演を果たしていた、イザベル・ファーマンが演じてる。何と14年後に、先日公開となった続編でも、彼女が少女・エスタを務めているのは凄い。