「気持ちよく騙された」エスター REXさんの映画レビュー(感想・評価)
気持ちよく騙された
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サイコパスの子どもというとマコーレー・カルキンの【危険な遊び】、オカルトでいうと【オーメン】が思い出されたが、まさかの予想だにしなかった真相で、久しぶりに気持ちよく騙された。
後でエスターの姿を見返すと、ずっと感じていた違和感がすっきりと氷解。能面のような色白さも、妙なぽっちゃり体系も、風呂に入るときに鍵をかけたがることも、子どもらしからぬ知識量も。最後、化粧を落としたエスターの素顔がモンスターのように思えたのも不思議。
全体を通して古典的なサイコホラーの展開なのだが、殺される者、生き残る者のバランスがよくて変なストレスを受けなくてよい。自分の非を認めたくないのか、いつまでもエスターがいい子だと頑なに信じ込んでいた夫にイライラしていたので、彼の退場にはすっきり(笑)。
男性って、本当に頼られると弱いのね。
ただ、孤児院からエスターを送り出したシスターが、急に疑惑の目を向けたのが唐突ではあった。エスターの支配下に置かれているようで置かれなかった妹マックスの存在が救い。
余談だが、エスターはエストニアの精神病院から脱走した設定で、里親役の女優がウクライナ系。彼女がエスターに出会ったときに親しみを感じることに対して、説得力を持たせるようにキャスティングしていたとしたら凄い。
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