TAJOMARUのレビュー・感想・評価
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新しい小栗君と、新しいTAJOMARU ^-^
新しい小栗旬!という印象の作品でした♪
前半は、ちょっと・・なところもあったのだけれど、
後半にゆくにつれ、どんどんとよくなりました。
原作「藪の中」は、とても映像化が難しい作品かと思うけれど、
よいストーリーに生まれ変わっていたと思います♪♪
斬新
ストーリーは、もう少しコンパクトにまとめてあったらよかったのに・・。
小栗君は、文句なしにかっこいいし、やべさんとの絡みは、クローズを思い出すし、なんかいい!
田中圭君好きなんだけど、時代劇の衣装が似合わなくて、びっくり。
後、ヒロインが弱いので、愛するものって言われても、若干感情移入ができなくて残念でした。
小栗旬クン、カッコいいぃ~。
☆
オープニングの4人の関係性を描く子供時代が
こんな風な子供時代を送りそのままに成長したんだよ、
というのを提示したいのはよく分かるものの必要以上に長く、
あれぐらいの情報なら回想シーンで少し入れるぐらいで十分だし、
子役たちの演技も微妙で、何よりも映像から感じる空気感が現代。
桜の並木道に一番の違和感を感じたのかもしれない。
全体的にも、すごい画だというものも皆無で、
スケール感がよく分からないというか、こじんまりとしてるのも微妙。
途中でラップ的なノリでのどんちゃん騒ぎもありますし、
本格的な時代劇を描こうというのではなく、芥川龍之介の藪の中というか、
黒澤明監督の羅生門のリメイク、
大胆なアレンジで一直線に突き進む多襄丸を、
小栗旬のカッコよさを描こうとしているのは、
ラストはキマッてましたしよく分かるが、裏切られても、
コピーにあるようにそれでも己を曲げない、
という感じではなく多襄丸がストーリー的にちょっと振れちゃいますし、
無理があったんじゃないでしょうか。
素直にオリジナルで時代劇版クローズZEROで
よかったんじゃないでしょうか。
小栗旬は泣いている姿も画になり、男気溢れる熱さもカッコよく、
柴本幸はやっぱり顔立ちが時代劇にあい、いい表情もしてます。
ベテラン勢もアクの強い演技で楽しませてくれて、
特に松方弘樹は僕は楽しくてしょうがなくて、
クローズZERO組ともいうべき子分の面々も飽きさせない。
しかし、田中圭はあの役柄にはちょっと荷が重かったかな。
小栗旬ファンにはもちろんオススメでしょうが、
もう少しコンパクトにまとめて多襄丸がコピーどおりに、
どこまでも自由に突き進む姿をスピーディーに描いていればよかったかな。
☆
役作りもままならないスケジュールの合間を縫って撮影を進めていったのではないでしょうか?
『隠し砦の三悪人』に引き続き、小栗旬が黒沢明作品に挑戦した意欲作。本作は、黒澤明の作品のリメイクではないが、中身のテイストはかなり意識したものでした。
序盤に登場する先代の「多襄丸」を松方弘樹が、そして古狸のような喰えない将軍足利義政役を萩原健一が個性的に演じて、作品に重みを持たせていました。でもその後登場する盗賊たちの存在の軽いこと(^^ゞ思わず『三悪人』のときの軽さを連想してしまいました。
小栗旬は、終盤に殺陣で多いに見せてくれて、『三悪人』のときよりも演技のメリハリが際立っていました。でも一緒に試写会で見ていた若手俳優のマイミクさん曰く、全然テイクを重ねていないとご立腹。どうして?と聞いたらいくら演技力のある小栗旬でも、テイクを重ねないで、一発OKで流したら、演技に深みが出せなくなるだろうというのです。その証拠に、表情のレパートリーが少なく、二つぐらいの表情を使い分けているだけではないか。あんなカットでよく監督はOK出すものだと同行した彼は語るのです。
そう言われてみれば、なるほどと思いました。
大河ドラマの撮影を抱える小栗旬は、きっと超多忙の中で、役作りもままならないスケジュールの合間を縫って撮影を進めていったのではないでしょうか?
由布姫役に抜擢された柴本幸についても、最愛の直光を殺せと「多襄丸」に語るところなど、その微妙なこころのあやが表現できおらず、由布姫の直光への変わらない気持ちが、すっかり殺されてしまったのです。あれでは、セリフのまんまですね。
まだ『BALLAD』で廉姫を演じた新垣結衣のほうが、表情が豊かであったと思います。
冒頭の30分は、主人公であるべき「多襄丸」が登場せず、誰が「多襄丸」なのかヤキモキしました。それを直光が受け継ぎ新「多襄丸」となるところは、なかなかいいシナリオ。原作の芥川龍之介のエスプリをそのままに、人間の業を色濃く浮き彫りにします。
但し、直光に拾われた桜丸が直光になりすまし、家臣達がそれに付き従って、新「多襄丸」となった本物の直光を盗賊扱いにするくだりは、納得できません。
終盤直光と桜丸の決闘シーンでは、一声号令をかけるだけで、盗賊扱いにしてきた直光を、手のひらを返したように主君扱いするシーンは、納得できませんでした。
しかも主君が決闘しているのに、家臣達は傍観しているばかりです。決闘シーンは、力の入った殺陣でいいのですが、家臣達のの傍観ぶりが気になって、しらけてしまいました。
そして最後の直光の決断も唐突で、自由に生きていきたいという思いは、それなりの伏線を用意すべきではないでしょうか?
同行の俳優も語っていたのですが、全体的に練り込みが足らずに、やっつけで撮影しているため、所々のアラが目立ち、出演者の感情のあやが描きこまれていません。
やはり黒澤映画もどきというのは、伊達に近づくほどにどこかニセモノらしさというのを余計に感じさせれしまうのでしょう。
それでも本作は、ベテラン陣の演技は見物です。近藤正臣の老け役も見事でした。
TAJOMARU 出来がイイ!
時代劇、久方ぶりに、切れ味鋭く、テンポある力強い殺陣をみることができました。感謝。
最近はスローモーションとか、細かいカットを繋いだりしリズム感なく、ただ見せるだけの立ち回りシーンに慣れていましたが、今作はカメラアングルを吟味しスピード感を殺さず、身のこなしでテンポをとり、見ていて爽快な気分にさせてくれます。(悪い奴だと特に斬られたあと気分爽快。)
加えて、配役に魅力あり。
松方弘樹の大物感と人情味あふれる盗賊
長いものには巻かれてしまうけど正義感は十分ある愛すべき本田博太郎
権力者で怪しい趣味をもち達観した正論も言う萩原健一
心に強く思いを留める美しい柴本幸
困難になっても飄々と前向きな小栗旬
ストーリーを語るキーマン男気あふれる やべきょうすけ
他の俳優もみなキャラクターがしっかりして映像を盛り立てます。
なかでも、いたぶられる柴本幸の演技がたまらない。
谷に落ち気がふれたような演技には、ここまでやるか、元の綺麗なお顔がゾンビのような形相に、このまま最後に綺麗なお顔が見られずに終わるのかと案じましたが、時代劇の良いところは勧善懲悪なストーリー。
途中、柴本幸が、松方弘樹に襲われたにもかかわらず、小栗旬を『殺してくれ』と依頼するし、とんでもないストーリー展開になるかと心配(期待?)したところもありましたが(ここが肝心なところだった訳ですが)、最後には伏線をすべて拾い集めて(大納言家の金塊も出てきたし)、柴本幸も奇麗な姿で大団円。
『TAJOMARU』 小栗旬がその名を継いでからが中野裕之監督の真骨頂で、時代劇だけど洋楽を使い、衣装も優美ではないが獣毛+カラーリングの妙で美しい、映像も濃い色めで独自のカッコ良さ、ローマ字表記のタイトル通りの垢抜けたイメージの時代劇に仕上げてくれました。
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